第279話 SLあそBOY

SLあそBOYは、阿蘇駅を出発する時間・・・。


車掌さんが、3号車のデッキから安全確認。


白い手袋、紺の制服。制帽。金・赤のライン。


乗降、終了! 信号、よし!

安全、よし!





ドアを閉じて、列車は走り出す。






窓の外を、煙が流れていく。

石炭の燃えているので、香ばしい。


友里絵は「なんか、焼き鳥食べたい」


由香「かもねー。炭火焼きとか」



愛紗「今夜、出るよきっと」



とも「ハイ・・・焼肉メニューもありますね」



ビュフェなので、時々お客さんが来たりして。


サンドイッチとか、レモンソーダとか。


軽いものを頂きながら・・みんな、楽しんでいる。


平日なので、わりと・・・暇のある、裕福なひとたちなのだろう。



ウェイトレスさんをしている。ともちゃんと、さかまゆちゃん。


友里絵は「CAでも、ここはすこーしだけ店員さん」


由香「そだね。飛行機もそうだって、最近は」



菜由「ああ、なんかカフェバーがあるとか・・・。」



愛紗「国際線だと時間長いものね」


友里絵「クルーズトレインみたいな」



由香「そうそう。」



そのうち・・・列車が少しゆっくりになってきて。



駅が見えてきて。



ーーーまもなく、いこいの村に着きます。

お出口は左側、1番乗り場に着きますーーーと。


こんどは車掌さんが、マイクでお話。




「いこいの村かー。昔のタバコみたい」と、友里絵。



由香「そんな昔から吸ってたか」



友里絵「ヤメタってば。でも「いこい」は吸ってない」



菜由「まあ、銘柄はなんでもいいけどさ」


愛紗「体に悪いとか・・・でも、昔っから吸い込んでたと思うけど。」


友里絵「ガンになるとか」


由香「友里絵はなんないよ」



友里絵「なんで?」


由香「全部がガンじゃん」



みんな、ハハハと笑う。


友里絵「便利かも。ガン保険いらないじゃん」



菜由「あー、きてたなぁ、営業所に。保険のおばちゃん。どうしてるかな」



由香「まだ来てるよ」



愛紗「うん、来てたね。時々」




列車が、ゆーっくり減速する。


電車と違って、急加速も急ブレーキもしないから

なんとなく、のんびりできる。



「いこいの村」は、小さな駅。


駅名看板に、蒸気機関車の絵が書いてあって、可愛い。



ぱらぱら、と・・・数人、降りていく。



「何かあるのかな?」と、由香。




ともちゃん「ハイ。キャンプ場とか、アスレチックとか・・・乗馬クラブとか

ありますね」



友里絵「乗馬したいなー」



由香「跨るの好きだな」



菜由「・・・あ、いいのか」



由香「バイクも跨るし」



友里絵「ハハハ」





さかまゆちゃん「つぎが、宮地で、終点です」



友里絵「あー、おしまいか。SL。楽しかったね」


由香「うん」




愛紗は「いつも、帰りは回送なんですか?」



ともちゃん「ウィークエンドは、帰りも営業することもありますね。

機関車も客車も前後を入れ替えて」



由香「大変なんですね」



ともちゃん「ハイ。ターンテーブルがあって、入れ替えるんですけど。

それに乗るのが、アトラクションになっていたりして。」



友里絵「あ、なんかTVで見たな」



さかまゆちゃん「そうですね」(^^)。「ニュースで、熊本の話題とか」



「牛くい絶叫大会とか」と、友里絵。



ともちゃん「ハイ。それは大分だったかな」



由香「やれ!ゆりえ」



友里絵「モーお!」



菜由「牛かいな」



さかまゆちゃん「もー、って言った人はいないですね」(^^)。



友里絵「ウケるかも」



ともちゃん「10月ですね」



友里絵「10月に来よう!」



由香「ハハハ」






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