第278話 いっしょだね。
その頃のまゆまゆ(^^)は・・・。
吉松折り返しの観光・快速列車・・・で。
CAさんをしていた。
ここで、会ったんだっけね。と、思い出しながら。
雨は止んで、雲間のひざし、きらきら。
制服の上着を貸してあげて、記念写真を撮って。
「友里絵さん、かわいい」と。思い出していた。
・・・いまごろは、阿蘇山あたりかな・・・・。なんて、思いながら。
快速「いさぶろう・しんぺい」は、ゆっくりゆっくり登って行く。
結構な坂道、自然の中。
綺麗な景色の中を、のどかに・・・。
行路で言うと、この後人吉について、お昼。
それから、熊本行きの特急乗務で終わり。
今日はB勤務だから、少し終わりが遅い。
熊本ー>人吉の帰りも、回送だが勤務時間になっている。
「熊本でお兄ちゃんに、会えるかな・・・。」なんて思いながら。
用はないけど、なんとなく・・・・。
・・・・いつまでも、わたしのお兄ちゃんでいてほしい・・・・。
けど・・・そうはできないことも判っている。
だから・・・。
・・・・どうしたらいいんだろ・・・・。
なんて、思う、19歳のまゆまゆ(^^)だった。
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恵は、やっとの事で熊本行きの列車、急行「球磨川」に乗って
帰るところだった。
「やれやれ・・・・・酒なんて飲むもんじゃないわ、ホント。」
わかっちゃいるけど、やめられない♪(^^)
「列車で飲むと、気持いいのよね」。
・・・に、しても。
「日光さんのお母さんは、本気なのかしら?」いまいち疑問。
とか、思いながら、球磨川の緑の川面をながめつつ。
かたこん、かたこん・・・・。
下りのディーゼル・カーは静かだ・・・・。
長閑な休日である。
「・・・ウィスキー、どこいったかな(^^;;;;」
そう・・・思いながら。
こっくりこっくり。
寝ていた(^^)。
ふるーいディーゼルカーは、堅牢。
重々しい。けれど、そこが安心感。
クリーム色のボディに、窓のところだけ赤い。
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お兄ちゃんは、福岡で、まだ寝ていて。
「あー、そろそろ行くかな」なんて思う頃
タイマーが効いて、ベッドが起き上がってきた。
静かな休憩室。ゆっくり寝られる。
「朝4時起きだとね」と、不規則な生活を省みる。でも
その、使命感が。
やらなくてはならない。そういう感じに嘘は無かった。
ひとつ、伸びをして。目覚めた。
「さあ、行くか!」
ブルー・トレイン回送が、待っている。
EF81-137も、待機線で休憩しているのだろう。
制服、と言っても貨物はワークシャツのようなもので
至って簡素。
そこも、気に入っている。
それに袖を通し。
とりあえず、顔を洗って・・・。と。廊下に出た。
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阿蘇駅の友里絵たちは、改札を通って
また、待機しているSLあそBOYに戻ってきた。
やっぱり、先頭の機関車が気になって。「あ、人吉で見た機関車と同じ!」と、友里絵。
「ほんとだ」と、由香。
くろーいボディ。塗装されているかと思うけど、なんとなく煤で黒いのかな、なんて。
愛紗は「写真、撮ってあげる」と。
機関車を背景に、由香、友里絵、菜由。
ちいさなカメラで、撮った。
菜由が「じゃ、代わる」と。
愛紗が機関車の前に立つ。
菜由は少し、下がる。「やっぱり背丈があると、スリムに見えるね」
愛紗「そう?」割と、ふくよかなタイプだけど。
友里絵は「いいなー。細く見えて」
由香「アンタも結構、着やせするね」
友里絵「そかな」
由香「だって、脱ぐと、てろーん」
菜由「ハハハ」
友里絵「あー傷つくなあ」
菜由「めんごめんご」
と、笑いながら・・・ビュフェのある2号車へ。
ともちゃんと、さかまゆちゃん。
ウェイトレス、スタイル。
ちょっとメイドさんふうが、かわいい(^^)。
友里絵は「ねー、さかまゆちゃん?」
さかまゆちゃんは「なんですか?」
友里絵「これから、どこ行くの?」
さかまゆちゃん「列車は、これから宮地までですね」
由香は「帰りも乗務するの?」
さかまゆちゃん「いいえ、きょうは木曜なので。帰りは回送です。」
菜由「じゃあ、回送で帰りなの?」
ともちゃん「いえ、特急に添乗して大分まで。そこで終わりです。明日は由布院から
「ゆふいんの森」乗務です。」
友里絵「あ!あたしらKKR由布院に泊まるんだけど、一緒にどう?」
さかまゆちゃん「偶然です!そこが今夜のお宿」と、にこにこ。
由香「ユニークぅ」
友里絵「ホントだね」
そんな事を言いながら・・・列車は走り出した。
蒸気機関車って、ふんわり走り出す。
ちょっと、ゆりかごみたいね、と
愛紗は思った。
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