第262話 霧の阿蘇山

友里絵が起きた時は・・・既に7時を回っていて。


お風呂に入っている時間はなく・・・。


のーんびり、温泉で温まってきた愛紗たちa

友里絵たちを起こさないように、と。

2Fのロビーで、のんびりしてから。


マッサージ椅子にもたれたりして

雨の阿蘇山を眺めて。


「のんびりできていいなぁ」と、愛紗。

「ほんと」と、菜由。

「何してるんだろ、あたし」と、愛紗。


菜由は「・・・なんだっけ?」と。笑った。

愛紗も笑った。



それから・・・・

そーっと。206号室に戻った。


友里絵は起きていて、半分寝ている。

爆発アタマ(^^)。


窓際のスツール、籐のそれに座って。

足を組んでいて「マダーム、芋煮えーる」と。


浴衣の前がはだけて。おちちがゆらゆら。

かわいいんだけど、ちょっとエロティック。

菜由は「芋、煮えたか?」と、おちちに触って。


友里絵は「いやっ!乙女の大切なところに」と、ふざける。


由香は後ろから「大切ならしまっとけ!オトメちゃん」と、頭をなでなで。


友里絵は「あ、起きたの?おはよー」


由香は窓の外を見て「雨だな」


友里絵は「うん」



愛紗は「長い旅だと一日くらいはあるね。」

菜由「落ち着いていいね。なんとなく」


「雨って、情緒があるね」と、友里絵。


由香「情緒なんて言葉が出るとは・・・」と、ちょいおどろき。


友里絵「そんなに驚かなくてもさ」と、笑う。



ハハハと、みんな笑う。



それから・・・。


「ごはん♪ごはん♪」と、友里絵。


歯ブラシ、しゃごしゃご。


斜めに咥えて。髪を1:9に「だーいたいやねーぇ」

顔真似。


菜由は「なんだっけそれ?竹本孝之?」と、笑顔。


友里絵「ノンノン」


由香「ノンノンはムーミン」


友里絵「ユーミンは布団屋さん」


愛紗「あれ?そうだっけ」


菜由「ノンノンも、ほんとはフラーレンって名前だとか」


由香「おー、アッタマイーい」と、茶化す(^^)。


友里絵「なおきしょー。」


由香「象印賞ー。」


愛紗「懐かしいな。それ」


友里絵「一週間のご無沙汰でした。タマオキです」と、股間に手を置いて



由香「アホ」と笑う。


菜由「なんかそっちがスキだな」


友里絵「欲求不マンだ」


由香「マンが不満な」


菜由「ははは、じゃ、男はさー」



友里絵「不チンか。あ”-あ”-、日本は不チン空母です」


由香「それはさすがに古すぎるだろ、誰もわからんな」


菜由「さ、メシメシ。ふざけてるとバスに乗り遅れる」


友里絵「バス何時だっけ」



愛紗「10時8分」



友里絵「あ、じゃー結構あるね。まだ8時前だよ」



由香「でもさーぁ、友里絵ががつがつ食うから。1時間は掛かる。」



友里絵「ハハハ」


菜由「まあ、食えるうちはいいさ。」


由香「おおきくなれよー」



友里絵「はいりはいりうえはいりおー」


由香「それは流石に誰も・・・。」


友里絵「わんぱくでもいい、たくましくそだってほしい」


由香「どこが?」


友里絵「マルダイウィンナー」


菜由「ウィンナーはちっちゃいなぁ」


友里絵「石川さんのは馬さらみ」


菜由「ははは!そんな」



友里絵「写真見せて」



菜由「撮ってないよ、そんなの」


友里絵「ひっひっひー、おじょーさん、写真撮って」と、危ない顔。



由香「メシメシ」


菜由「そだね」



206から出て行く。


友里絵「置いてかないデー」




愛紗「だいじょうぶだよ」


友里絵「愛紗はやさしいなぁ」



とてとて・・と、部屋から出て行った。



エレベータの前の2Fロビー。木曜とあって人はいない。



大きなガラス窓に、阿蘇山が霧に煙って。


「綺麗ね」と、愛紗。



「うん」と、友里絵。「ねぇ、ホントに九州に帰るつもり?」



愛紗は「・・・だって、大岡山に居てもドライバーは続けられないし。

ガイドに戻るのも・・・なんかね」



友里絵「そっか。」


それだけだった。



とことこ・・・と、友里絵はスリッパで降りていく。







人吉の真由美ちゃん。今日の仕事は、観光列車で吉松まで。

折り返しで人吉。そこから、特急乗務で熊本まで。


ワゴンの荷物は熊本で積み込むので、人吉では交替だけ。

熊本に着いた時に補充する。


観光ガイドもするので、CA、と言う職名に一番近い。



制服の上着は、新幹線に乗務する人と同じ。

黒が基調で、スマートに見える。


そのあたりが気に入っている。



スカートでなく、スラックスをはいてもいいので

普段は専ら、スラックスだった。


動き易いし、機能的だ。



乗務する列車を、ホームで待った。

編成最後尾から、きょうは乗り込む。


グリーン車があったり、食堂車がある場合は

そのあたりにワゴンの基地があったりする。

車掌室の近くに、ワゴンを収納する場所と、倉庫が付いていて。

新しいデザイナーズ・トレインは、そういうところもよく考えられていた。



「今日、熊本でお兄ちゃんに会えないかなー。」

なんて、思う真由美ちゃんだった。


縁談ゲーム(?)を、お母さんが考えてるなら。

お兄ちゃんの気持を聞いておきたいなぁ、なんて・・・


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