第258話 高森トンネル
・・・・バンドをしたのもお兄ちゃんと一緒。
ドラムを叩いていて、ヴォーカルに転向。
カントリーふうの、優しい楽曲を歌って。
ロックふうのレコードを作っても、発表しなかった。
・・・全部、カレンさんの意志じゃないこと。
リチャードお兄さんの意志なのかは解らないけど、ひとりで
好きなようにしたい、そういう気持もあったと思う。
・・・でも、お兄ちゃんが喜んでくれるなら、お父さんが喜んでくれるなら。
お母さんが・・・。
真由美ちゃんは、そんな風に思った。
自身の行く末も、まわりに気を使って
思い通りに出来ない。
「そんなことは、ないようにしたいな」
そう思う真由美ちゃんは、車掌、と言う仕事が
「まわり」ではなく
「安全運行」と言う目的、ちゃんときめられたもの。
その為にある事が、清々しく思えた。
それは、誰かの意志じゃなくて・・・。
「正義」なんだな。
それが、乗務員の仕事に魅かれる理由かもしれない。
・・・なんて、ね。(^^)。
思ったりした。
寝巻きにカーディガンと、かわいいスタイルで
離れに戻ってきた真由美ちゃん。
恵は、にっこり「さあ、寝ましょ」
真由美ちゃん「はい」
明日は、乗務だ・・・・。
・
・
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かたや、KKR南阿蘇の友里絵たち・・・。
お風呂からあがって、のーんびり。
「あー、よくあったまったねぇ」と、由香。
「温泉、出るんだね」と、友里絵。
「この辺りは阿蘇山の上だから、出るね、どこでも」と、菜由。
愛紗は「九州全部がそうなんだって」
友里絵「全部が火山の上?」と。
由香「どかーん!」
友里絵「バンに近いひるー!」と、羽ばたくマネ、指差して。
菜由「なつかしいね」
愛紗「それはマンガでしょ。」
友里絵「そうそう・・あれって大人のマンガじゃなかったっけ」と、はてな顔。
菜由「クレージー・キャッツか」
由香「それはTV」
菜由「めんごめんご」
愛紗は、なんだかわからない(笑)。 「・・・あ、雨ふってきた」
窓のガラスに水滴・・・。
斜めに。
すぅっ。
すっ・・・。
「雨か・・・たまにはいいね」と、菜由。「洗濯物取り込まなきゃ、なんて・・・。」
由香は「あ!パンツパンツ!」
ランドリーに入れたまんま。
友里絵「オマエのフンドシなんて盗むかよ」と、笑う。
由香「まあ、ドロボーよけ」
菜由「・・・・なるほどコンビニエンス」
愛紗は「セブンイレブンね」
友里絵は、とてとてとて・・・・と。部屋から出て行って。
パンツ持って「あったよー」と。テーブルに投げた。
由香「こんなとこに投げて・・・まあ、女同士だからいいけど」
「おじょーさん、パンツ何色?」と、友里絵はヘン顔で。
由香「フンドシだよ、ばっきゃろー」って、受話器持つアクション。
「ははは、昔あったねそういうの」と、菜由。
愛紗「でも、フンドシって流行るかも・・。かっこいいし」
由香「そう?」と。ドヤ顔(^^)。
菜由は「便利だよね。作れるし。フリーサイズでしょ?太っても着れるし。
体に優しい」
友里絵「とはオバンの意見」と、笑う。
菜由「こりゃ」と友里絵に、紙くずを投げた。
由香「1歳しか違わないじゃん」
愛紗は「明日、雨だと・・・トンネル公園はなしね。結構歩くし」
菜由は「ひとり真面目なツアコン」
友里絵「とーんねるぬけーてー♪」と、ヘンな歌を歌う。
菜由は「抜けてないんだって、あそこ」
友里絵「菜由の?」
菜由「・・・あたしのじゃなくて、高森の」
友里絵「あたしの「あそこ」ってどこですかー」と、楽しそう。口を尖らせて、にこにこ。
菜由は、ぴょんと。
「オマエはー~~」と、友里絵の首を絞める(^^)。
由香「天罰天罰」
愛紗「ははは」と、明るく笑えるようになって・・・。
菜由は、よかったな、と・・・思った。
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