第202話 (E

「いたいでしゅー」と、友里絵は

かわいこぶり(^^;


由香は「おー、よちよちよち、天罰じゃ」



菜由「おもしろ」


真由美ちゃんは、心配そうに「大丈夫ですか?」



由香は「平気平気。丈夫に出来てるから。バカは」


友里絵「丈夫が一番!ってタマちゃんも言ってた」



愛紗「なるほど・・・。」



友里絵「納得すんなって」



愛紗「ごめんごめん」



由香は「かわいーと、飛びつくからなぁ。ネコかいな」


友里絵「ネコ派だもん」



菜由「なるほど・・・。」


真由美ちゃん「にゃんこ好きですものね」




お風呂は・・・そこから階段で3段、下がって。

石を組み合わせた床と、湯船。


打たせ湯があって。天井から、ぱたぱた。




お湯は、黒湯。


愛紗「黒湯ってめずらしい」


菜由「そうね。日南にもあったけど。」


愛紗「北郷とかね」



真由美ちゃんは「北郷って、日南線ですね」


愛紗「そうそう。のどかでいいとこよ。駅前でネコが寝てるし。」



真由美ちゃん「かわいいですねー。寝てると」



友里絵は静か。



由香「なんだ?寝てるのか?」



友里絵は「寝てるとかわいい?」



お湯につかったまま・・・ぶくぶく。



由香「うんうん。かわいーよ。ずっと寝てろ」



友里絵、ぶくぶく・・・。



由香「ふやけてぶくぶくになるぞ。ただでさえぶくぶくなんだから」


友里絵「にゃ」



お風呂は結構広い。

ここは、男湯と女湯がきっちり分かれてるので

聞こえなくていいんだけど、なぜか友里絵は静か(^^;




泊り客は、出張のおじさまばっかりなので

女湯は、友里絵たちだけ。



友里絵「ばんごはんなんだろ?」


由香「まだ食うのか」


友里絵「にゃ」


由香「ついにネコ化したか」



友里絵、ねこみみの真似。掌で。「にゃご」



友里絵「まゆみちゃん、やってみて?」


真由美ちゃんは「・・・こうですか?」胸が見えちゃうので、お湯にもぐって。


友里絵「にゃ」


真由美ちゃんも「・・・・にゃ?」



友里絵「にゃー、かわいいにゃー」


と、真由美ちゃんにすりすり。


真由美ちゃんは「ちょ・・・っと。きゃ。」


由香、掌で友里絵の後ろ頭を、ぽん。「やーめろってば」



友里絵「だーって、かわいーもーん・・・ねーぇ。真由美ちゃん」



真由美ちゃん「なんですか?」



友里絵「ワゴンサービスの時にさ、ネコミミ付けてみない?」



真由美ちゃんは、にっこり。でも「ダメです」


友里絵「かわいーのに」



由香「なんか、特殊な乗客が増えそうだな」



菜由「ははは。バスにもいたなー。ガイドばっか撮る人とか。痛車乗ってきて」



愛紗「まあ、ある程度・・・・。」



真由美ちゃん「かっこいい男子運転士さんにも、ファン、いますね」





菜由「いそうだねー。タマちゃんもさ、シティーバスを運転してたら

オバサマ方が右車線から

「かっこいー」

って。手を振ってたり」



友里絵「知らないそれ。どこ?」


菜由「大手町。駅前通りの。信号待ちで並んだらね。

オバサマたちがにこにこしてて。「どこの車庫?なんて名前?」とか(^^;

タマちゃんは「ありがとうございます」って。




友里絵「まー、あの人、親類にも役者とか、歌手とかいるし」


由香「あ、なんか聞いた事ある。」


愛紗は「ミュージシャンだったんでしょ?」



友里絵「そうだって。でも、なんかお父さんとお兄ちゃんが死んじゃったんで

ヤメて帰ってきたとか・・・。」



真由美ちゃん「優しい方」


菜由「ほんとね。そういう感じ」



由香「制服好きみたいね」


友里絵「ミニスカとか?」



由香「そういうんじゃなくて」(^^;


真由美ちゃん「その、人気の運転手さんも、優しい方ですね。

制服着ると、なんか、かっこいい。」



愛紗「若い人?」



真由美ちゃん「たしか・・・40歳くらいだったと思いますけど。そう見えなくて」



友里絵「おじさんにまかせなさい!」



由香「いつからおじさんになった」(^^;



友里絵「・・・って、言われても、ついてかないでね」


真由美ちゃんは、ちょっと恥ずかしそうに「はい。でも・・・その方はシングルなので。」



菜由「あ、それならいいかもねー。それで、オバサマ方が親しみやすい」



愛紗「なんていうか、やつれてないんでしょ」




菜由「結婚ってねー。やっぱ、人と暮らすと疲れるから。」



由香「あー実感」


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