第630話 こころと魔法

「なんで、そんな事がしたいの?」めぐは

自分でも呆れるくらいに、親しみを込めて

そっけなくルーフィに、そう言った。



若い女の子らしく、親しくなった人に

友達口調で言う、そんな内心と



それと、憧れていた魔法使いルーフィが


普っ通の男の子みたいな事を

(笑 夢の中だが)した、と言う事に

すこし、がっかりしたような




そんな気持ちもあった。




もちろん、めぐは夢の中のルーフィに会っていると言う事を


忘れている(笑)ま、そこは18才の

女の子である。







「ごめんなさい、自分でもわからない」と

ルーフィは言った。





今は、魔法を使えなくなって、

人間っぽい暮らしをしているから

それで、かな、などと


ルーフィは、めぐにそんなふうに言ったけれど



親しい気持ちが、めぐと抱擁したいと

そう、イギリスのルーフィは思ったのだろう。


国によって風習は違う。






「魔法使いに戻らないんですか?」と

めぐは、普通の声に戻って言った。




「戻るって言うか.....元々、魔法を使いたくて

修業した訳じゃないし。」と

ルーフィは言った。







「そう。わたしも。」と、めぐは言った。





めぐもルーフィも、元々持っていた能力で

望んだ訳でもない。




才能ってそんなものだろう。

当たり前に有って、その人にとっては

そんなに有り難いとも思わない能力。



無くなっても、どうって事もないけど。




ルーフィはまあ、御主人様の魔法で生かされているから




魔法使いで無くなったら消滅、するかもしれないけれど。


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