第629話 夢の中で

驚きで、互いに顔を見合わせた。


何せ、リアルなら遠く時空を離れた存在である。



夢の中だから、突然遭うことになったけれど

それは、めぐが魔法使いだから。



ルーフィも、魔法使いだったんだけど。



ふつうの人の夢なら、大抵は0次元、つまり

科学的には夢想である(笑 夢なのだ)。


だけど、心の中のイメージとしては

夢の持ち主には4次元の時空間だ。





本当にあるがの如く、空間が存在する。

だけど、時間の概念はない。


それが夢のイメージ。






夢の中のルーフィは、めぐを抱きしめようとした。




「いやっ!」



いつかみたいに、Hugできるかと思いきや



夢の中のルーフィは、思い切り撥ね退けられた。


でも夢なので、転んでも痛くはない。




それよりも、夢の中とはいえ

いきなりめぐを抱きしめようとするルーフィの心の動きは

なんとなく、人間的なよう。



魔法使いなら、別に

女の子を抱きしめたいなんて思わない。


生き物じゃないから。






そのことに、夢を見ているルーフィ自身が驚いた。




でも、それも夢なのだ。




夢の中で女の子を抱きしめた覚えのある男子は多い(笑)

が、大抵は生物的な欲が根底にある。のだけど。






めぐは、ルーフィを跳ね除けてから思う。



「なんで、撥ね退けたのかしら?」


夢の中なんだから、別にいいんだけど(笑)とは言っても

そこは女の子である。



生き物としての護身のプログラムは、根底にあったりする。



夢の中だから、生き物じゃない。



なんだけど、自分自身の心はずーーっと人間として作られているので


急に、考え方が変わる事もない。






そのせいで、ルーフィはヘンな夢を見たことになってしまった(笑)。





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