第625話 希望

その魔法は、技術的に難しいものではない。


過去の記憶で、恐怖(Fear)へ

神経回路が接続しているものを



検出して



それが、現在の行動様式(皮質である)へ

の支配的な影響を与えている記憶から

恐怖への回線を遮断すればいいのである。




その、恐怖を

思い出したくないので



傷ついた心は感じやすい。




なので、傷、を外してあげればいいのだ。





過去の事は、もう思い出しても仕方ないのだから。













めぐたちは、駅から


閑散として駅前広場を歩いた。




「だーれもいないねぇ」



「ゴーストタウン?っ」



「静か」




「のんびりできていいねぇ」




とか、口々にいいながら。




「天国に行っちゃった人に逢いたい、のか」と

Naomiはわざと乱暴に言う。


男の子っぽいそんな台詞は、素敵に似合う

スーパーモデルふうの彼女である。





「思う事もあるけど、夢で逢えたりするね」と

リサは言う。



めぐの魔法で、おじいちゃんに逢った事を

言っているのだろう。



それで、リサは癒された。


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