第589話 diesel-electricfrom

そう、ルドルフ・ディーゼルは

理想的なエンジン、カルノー・サイクルを

追い求めて、届かなかったとの

失意を得たのである。



だが、世界中で彼の功績は

讃えられているのである。




理想、そんなものである。




それもまた、ひとの心に棲む


魔物のような欲望である。



十分、ディーゼルエンジンは

実用的であるし、理想に近い存在である。



PV=nRTの式そのものに、PVが変化し

それと同時に、Tが上昇し、燃料の発火点を超える。



Vが0.05になれば、式よりPとTが求められる。

物理的にPの限界はあるので、Tの変化は著しい。




そこで、燃料の炭化水素が酸化される。



組成が大きいので、発生熱量も大きい。



その熱によってTは大きく上昇するし

Vは元に戻るが。




無駄の少ない動作である。




それでも熱効率が30%と低いのが

彼のお気に召さないところ、だったのだろうけれど。

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