第575話 samurai

ただ、真の日本人は道を求めるし

魂を磨く。



苦難を超えてこそ、男だと言う

侍の心がある。




そうして生きてきた男にこそ、弱きを衛る

愛を語る資格がある。



修行僧のような、そうした姿勢があってこそ


これまでの日本があったから



悪を憎み、戦うと言うよりは

克己し、堪える事を会得とする。


艱難辛苦、汝を玉とす、などと言うくらいで




実は、目先の贅沢に目を奪われて

堕落し、狡猾に腐心するものは


そこに気づいていない。



満足は、そこには得られず

むしろ、耐え忍んだ魂にこそ

会心の笑みは得られるのである。




それが、日本人。




腐った根性の者が、政治を我が物とし


労働者派遣、持株会社、などと言う


働かずして食う者どもに都合の良い

仕組みを作って、勝ったつもりでいた

としても




卑劣な手段を使った時点で、既に相手に

負けている。



その事に気づきもしないのだろうし




真の日本人には、最初から相手にされていない

事にも気づきもしない。




気づいた頃には、既に遅く



死に至っても、永遠に心満たされる事なく

悪心のまま世を去るのだろう。




魂を磨いた、侍たちは

その頃、高みに至り得心しているのだが。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る