第536話 自由
フランスの女神は、「資本家の欲望に、民衆の自由が奪われるのはダメね」と。
それには、アメリカの神様も
ドイツの神様も頷く。
めぐの国の神様は「それで、ジャパニーズの郵便を、外国の資本家が狙っているので
国が保護してるのさ。
郵便だけじゃない。鉄道もそうだ。民間資本家は言うまでもない。
日本人の顔をしているが、外国資本家の手先になって
民衆の自由を奪ってるのさ。例えば」と
個室のスクリーンに、ホログラムを映した。
そのくらいのこと、神様ならできる(笑)。
それは、郵便を届け先順に仕分ける作業。
原始的に、人間が住所を見て仕分けている。
立ったまま作業をしているひとの傍らに、立ち腰掛けが畳んである。
その向こうで、管理職が時間を測っている。
「なんだ、あれは」アメリカの神様。
まるで、囚人と看守だな。と言うと
ドイツの神様は「いまどきは刑罰だってもっと民主的だ」と。
あんなふうにして、民衆の利益を
資本家が搾取してるのさ。
以前は、座ってできた作業を
立たせ急かして、人数を減らしてるのさ。
それで、失業者が増えれば
結局社会が面倒を見るので、同じ事。
でも、資本家は外国人だから、日本人の
社会は知らない。
「ふざけた話だ」と、アメリカの神様は憤慨。
「でも、アメリカンも関わってるんだ」と、めぐの国の神様。
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