第481話 こころ

一方のめぐたちは、女子ロッカールームで

私服に着替えて。


「でも、リサ、元気になってよかったよ」と

めぐ。



「どーして元気になれたの?」と、れーみぃ。



リサは、着替えなくていいから(笑)

手持ち無沙汰に答える。「うん、駅前でね、ロックが流れてて、それで、なんかさっぱりして。」と言うと、れーみぃは




「そう、バンドしよーよ、ね?」





理由にもならないような、リサの理由。




でもそんなものだ。




リサの気持ちに、知らず知らず抑圧を掛けてたのは


リサの無意識なのだ。



誰かがそうした訳じゃなくて。




生まれ育ちの間に、なんとなく積み重ねて来た記憶を、リサがそう考えてしまっただけ、の事。





おじいちゃんが国鉄の名士だったとしても、

別に、誰もリサに名手になってくれと思ってはいない。



おじいちゃんの思い出を引き継いでくれる人が

周りにとって嬉しい、それだけだ。

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