青森

第478話 帰着点呼

その、船の待合室も

今は、海底トンネルが出来て

連絡船が無くなったから



歴史の展示室みたいな存在になっている。



大きな古いテレビが、天井から下がって


ベンチが居並ぶ、大きな

学校の体育館くらいの大きさの部屋。



それが、ホームの上の2階上に


宙ぶらりんに作られているあたりも

とても不思議な構造。




大雪が降る地方なので、地上に作るよりは

2階に在って、丁度良い。



そんな印象だけれど、暖かい地方から来た

めぐたちには理解できない。




でも、見晴らしが良いので。




「すごーいねぇ」と、れーみぃは

楽しそうにはしゃいでて。






「さ、点呼さいくべ」と



リサのおじさんは、白い制服をきちんと着直して。




回廊になっている通路から、駅の車掌区へ。



外観からは分からないけれど

荘厳な木造の、駅の車掌区。



扉は、なぜか西武劇のSaloonみたいに


フリーストップの扉だったりする(笑)。





車掌区には、なぜか偉いさんの写真が飾られていて



その中に、リサのおじいちゃんの写真が

あったりして。




リサは、気づいてちょっと恥ずかしそう。




おじさんは見慣れてるせいもあるけど




「んだな。功労者だな。」と、他人みたいな

顔をして。




「どんな功労なんですか?」と、めぐは

聞いて見る。




「忘れた」と、おじさんは言うので



みんな、楽しそうに笑った。





車掌区の入り口、隣はロッカールーム。



その向こうが、点呼を行う車掌区。





おじさんは「1列車、帰着しました」と。





大きなカウンターの向こうで、厳めし感じの



車掌区長、運転管理。




「あ、あたしたち?」と



めぐたちは、ちょっと慌てる(笑)。





厳めしい顔だった車掌区長さんも、愛らしい

女の子たちに、微笑み「ご苦労様。1列車乗務員さん」と



そう言われて、れーみぃたちもにこにこ。


敬礼をしたりして。

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