第396話 9001列車、はっすぁ

一番最初にミシェルに気づいたのは

リサのおじさんだった。

車掌室で、列車が停まったのを確認して


停止位置、よす(笑)。



それから、車掌室のドアを開けて。


もちろん、客室のドアは開けない。

すぐに出発するから。



とりあえず、出発時間を過ぎてるから

列車はすぐに出る。


だから、ミシェルの手を引いて

車掌室に。



それで、二言三言。




ミシェルとなにか話して、それから

無線で、機関士さんに「9001レッサ、はっさー」(9001列車発車、が訛っている笑)



機関士さんは、こんどこそ、と

汽笛をぽ、と短く鳴らして


ゆっくり、走り出す。

ミシェル、どうして?って

めぐは思ったけど


まあ、リサが心配なんだねって

気持はよくわかる。



「あたしも、弟いたらなぁ」なんて

ミシェルの優しさを、いとおしく思う。




....向こうの世界の、Megさんは弟さんがいるらしいけど。




その存在の代わりに、こっちだとリサ、親友の弟になるのかな(笑)と


めぐは、想像でそう思った。







中学生なのに、こんな遠くまで来てしまって。

男の子って、行動力あるんだな、ってめぐは感心。



車掌室のおじさんは、特に叱ってるようでもない。




ヘンに叱られるよりは、余程抑制になる。


ミシェルみたいな子には、そうだと思う。



強制すれば反発するけど、認められたら応えなきゃ、って思うタイプの

ミシェルだから。





.....でも、リサはやっぱりお姉さんだから、叱るんだろうな(笑)なんて

思ったりするけど。









リサの意識の中でイメージされた、「危なくない行動」を

ミシェルにさせようとしても、それは



リサがシミュレートした、行動(4次元上の)で



リアルなミシェルの行動(3次元の)と違う。




たいてい、そういう相違で人と人は、分かり合うのに時間が掛かる。



シミュレーションを、リアルに合わせようとしなければいいので

解決は簡単、なのだけど。





それを知っている、リサのおじさんは

3次元、リアルな行動をするミシェルがしたいようにさせる。


コケた時だけ援助する(笑)。




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