第375話 love cowbaby

若者のエネルギーは、ともすると

批判の対象になることも多いけれど



それは、人間が自然環境に生きていない

から、で



もし、野生の地に生まれ育てば

自由に、どんな行動でもできる。



なので、退屈する事もないが



その行動が、他の誰かの


権利、なんてものを


侵す事になったりするから(笑)



若者は批判されたりする。




多くの動物は群れで生活するが

それは、天敵があるので

護身の意味がほとんど、であるけれど



人は、天敵がいない状態で

長らく生きて来て

そのせいで、天敵に対するような


防御や攻撃の性質の行き場を見出だせずに居たり。



本当は、何か

エネルギーの行き場があるといいので



リサの場合だと、そのエネルギーが



心配、になってしまって



発散するために旅に出た。




そんな感じである。








リサの降り立った駅は、おじいちゃんの家のそば。



線路は立派だけれども、駅は古い木造で



駅員さんのいない駅。




rubcowbabyと言う

かわいらしい名前の駅に


降り立って見ると



プラットフォームは、線路に沿ってあるだけで



簡素なこの駅は、旅情をそそる

のどかな駅。



線路は、どこまでも真っ直ぐに光っていて



vanisingpointに向かって

レールは、二条光っている。





客車は、静かに止まる。


古い汽車なので、ガタゴト走るような


イメージを持って乗り込むと


実は静粛な乗り心地だったりするのは

機関車乗りの腕前、である(笑)。





列車が止まる時、連結器の隙間が

あって、それが

ガタゴト、する理由だったりするのだけれども


隙間の無い、新しい電車とは違って




古い列車は、例えば停める時に

機関車や前の方の客車で、連結器の隙間を引っ張って停めるようにすればいい訳で


そのために機関車だけ、のブレーキと

列車全体のブレーキを掛けて


止まる寸前に、機関車のブレーキを緩め

次いで、列車のブレーキを解放する。



編成の前の方からブレーキが緩むので

一番後ろの客車のブレーキが緩むまでに、

編成全体が止まれば



連結器は、引っ張られて止まる。




止まる場所が下り坂だと、ちょっと難しい。




別に、汽車は止まればいいし、揺れてもいいけれど


そういうところに、鉄道を愛する者の

気持ちが顕れたりする。





夜行列車など、お客さんが寝ているので


こういう技術のない機関車乗りには


運転ができなかったりする。









リサの乗った列車は、静かに停車して。




さすがに、リサのおじいちゃんの後輩たちなのだろう。





そういうところに、伝統は現れる。








「でも、暗いなぁ」と



思っていると、駅前の電灯が



ふんわり、点灯した。



そろそろ夜と言う時間になる。



砂利の駅前には、誰もいなくて


水溜まりがあちこち。




自転車が何台か、線路沿いに止められている。

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