第355話 solo

リサのおじさんみたいに

普段の、仕事している動作が

つい、癖ででてきちゃうような



そういう人って、なんとなく愛らしいと

めぐは思ったりもする。




自分も、そんなふうに


図書館の人になってるのかなぁ、なんて


少し、思ったりもした。





リサも、知らずに

家族が国鉄のひとだったら



国鉄ふう、のリサになってて。




自然に、学校を卒業したら

国鉄に入るものだと


そんなふうに

思ってたところに


政治、なんて

訳わかんない(笑)もののせいで

それが、無くなっちゃうのは

やっぱり、ねぇ(笑)。



そんなところがリサの想像。



現実じゃなくって。



良くない想像をするのは

防御したいから。



防御って戦いなんだもん。



行動力が、誰にでもあるから


自分が困りたくないから。



そんなふうに、ひとは

防御したりする。



リサも、そうなんだろう。




「お嬢ちゃん、乗ってぐ?]と


リサのおじさんは、めぐに聞く。



「はい。空いてます?」と

めぐが言うと


おじさんは、「たぶん、空いでるなぁ」と言って



さっきの鉄道電話でどこかに聞いた。すると



「いっぱい空いとるな。だから

国鉄は無駄だと言われるだろが」と


笑った。




「でも、赤字じゃないんだがなぁ」と



黄色いヘルメットの区長さんは

ところどころ、油が染みている

国労新聞、を

持って。




それの見出しには

「今季も収支良好」とあった。





良好って、どういう事ですか?と


めぐが聞くと




「国民の為のサービスだから、黒字が出るのが変なんだけど


儲かってもいない、って事。

」と、区長さんは言う。





だから、儲けが出るようにしたら、国民が損をするので



その、損した分を、外国のお金持ちが


持っていく。



それまで、国民のお金で作った鉄道なのに。





と、そういう事らしい。




「そんな泥棒みたいな事、わしらが許さん」と

区長さんは言った。





確かに、そんなものは許せないと


めぐは思う。





そんな話を聞いてる間に、めぐの携帯電話が鳴って「あたしも連れてってー」と


れーみぃの声(笑)。




「Naomiも行くってと、追加注文」(笑)。




Northstar、乗ってみたいんだと。





「観光じゃないんだからぁ」と

めぐは言ったけど



でも、人手があったほうが、リサの行方を探すにはいいかも。




そんなふうにも思う。



リサのおじさんは「今の時期は汽車

空いとるから。


4人ね。いいよ。

バイトする?」と。(笑)




食堂車手伝って、なんて言いながら(笑)。

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