第333話 凛々しい鉄道員

でも、トライアングルになったって

めぐたちは、別に

争うまでもない。


神様や、魔法使いルーフィが


この世界に住む人々の、心に

入り込む

悪、その心が

起こらないように

粛正したからだった。



もともと、100年前には

そういう事は起こらなかったのだけれども

貨幣流通経済が


人々の悪意を煽って、競争を激化させた

せいだった。




その悪意には、魔界の住人たちが

関わっていたけれど




もう、今では人間世界に

彼らは入る事はできない。



だから、次元の歪みと言うよりは



隣接宇宙の並立で、時空間が歪む事は

あるかもしれないけれど

そこから、悪意が生まれる事は


ない。




なので、恋の争いで


誰かが不幸になる、なんて

起こらない。






今は、そういう世界。




なので、めぐたちも


自由に恋を楽しむ事はできるのだろうけれど



でも、そういうゆとりは

まだまだ、なかったりして(笑)。




「ねぇ、じゃあやっぱり

めぐは図書館に就職するの?」と


れーみぃは聞く。





当の、彼女は

もう、警察官になる事を決めているらしいけれど。




3年後、ハイウェイパトロールをしている姿を

もう覚えていない、めぐだったりするので




なにげに「お巡りさんになるよりは楽そうだけど」と

めぐは言ったり。






れーみぃとめぐは、並んで歩きながら

階段を下り、改札へ向かう。




Naomiと、リサはその前を歩く。




4人、と言うと

時々、こういう2:2になったりする事もあるけれど。



別に、仲良しと、そうでない、なんて言う分類でもない(笑)。





ただ、並んで歩くには道が狭かったり。


4人だと、会話が端っこまで届かなかったりとか(笑)。




そんな訳で、この時は

めぐとれーみぃは、並んでた。





「うん。お巡りさんの試験は難しいらしいけど。

入ってからの方が大変みたい」と





れーみぃは笑顔で言う。


それほど、気になる訳ではないらしい(笑)。






「そっか。図書館も

働くだけなら今でもしてるけど。


正規職員だと、公務員になるので


結構大変らしいよー。」お

めぐは

そこまで話して




あんまり、真面目に将来を考えていなかった事に気づく(笑)。



ちょっぴり、恥ずかしい(笑)。





リサみたいに、レールが敷かれた人生も


それなりに葛藤はあるだろうけれど



選ばなくていいから、楽かな(笑)


なんて、思ったり。




「どうせ、お嫁さんに行くと

辞めないとならないんだろうね」とか

めぐは、半ば諦観(笑)。




改札で、優待券を駅員に渡すと



駅員は、国鉄の関係者だと思って

めぐたちに敬礼、をした(笑)。




その敬礼って、兵隊さんがしてるのと違って


駅員さんがしてるのを見ると、清々しい気持ちだったりもして(笑)。


服装とかで、違う印象になるんだね、なんて



めぐは思う。



駅員さんも、カラフル女子高生4人に

敬礼をするのは、半分ずつジョークだったのだろうけれど。



にこやかに礼をする姿は、なんとなく好ましい。






「リサも、あんな風に

素敵

な駅員さんになるのかな。」


なんて、れーみぃはイメージしてる。





「うん。駅員さんもするんだろうね。運転手さんになる前」なんて、めぐも、その

凛々しいスタイルを想像した。



白いシャツで、紺色のスーツ。

帽子をしっかりとかぶり、髪は

さっぱりとまとめて。


白い手袋で、信号を指差したり。






「でも、大変だろうな。朝も、早いし、夜は遅いし」と、れーみぃ。





そんなこと、考えもしなかったけど


めぐも、それに気づく。




始発列車や、最終列車も

駅員さんは見守るんだものね。



信号を変えたり、、切符を売ったり。




通り過ぎた改札を振り返って、思わずめぐは見る。



爽やかだった駅員さんの笑顔を。





とても、真似できないな。


そんな風に、めぐは思った。



人知れず、みんなのために頑張ってる人も

いるんだな。







そういうひとって、きっと幸せになれるだろうな。



そんな風にも思って。

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