第254話  friends



friends



しばらく、ベッドで眠らせてもらって....

どこか、遠くにオルゴールが聞こえた。



その曲は、ショパン。


練習曲10-3、別れの曲、と

映画につかわれて有名になった曲だった。


ポーランド生まれのフレデリック・ショパン。


病弱だった彼が、祖国への別れを描いた曲、なんて.....。


音楽の授業で習ったっけ。



めぐは、眠りながら、なんとなく聞いていた。



ショパンは、魂をポーランドに帰してほしいと言ったんだっけ。




その、どこかノスタルジックなメロディは、めぐを空想に誘う。




魔法使いの魂。帰るところはどこにあるんだろ.......。






ふと、気づくと


めぐのベッドのそばに、Naomi。


緑の制服と、インクの匂い。


郵便屋さんの匂いだ...。と、めぐは

なんとなく、家に配達に来る郵便屋さんの事を

憧れて見ていた幼い頃、を

思い出したり。




なんとなく、いいね。



世のため、人のため。


そういう、使命感に浸って働くって。



正義の味方、みたいだもん。(w)。







「めぐ」と、Naomiは微笑みながら。




めぐは、なんとなく幸せに目覚めた。「あー、おはよ、Naomi。」





「お風呂でのぼせたの?大丈夫?」と、Naomiは笑ってて。




優しい友達の有難さを思う、めぐだった。



「仕事いいの?」と返すと



Naomiは「もう終わり」と。



よく見ると、窓の外は

もう、お日さまが傾いていて。




「夕方かー。」と、めぐは、のんびり言う。




全然変わってない、と、Naomiは言うけれど



めぐは、3年前そのままが来てるから当然(笑)。



タイムスリップ、なんて言っても

Naomiが実感できる訳もない。




「じゃ、起きて、めぐ。リサんとこ行こうよ。」と、Naomiは


やっぱり友達思いのいい子。



ふつう、ハイスクール卒業して3年も経てば

ボーイフレンドとかできちゃって。


友達同士の付き合いって、一時希薄になったりするけど.....。



と、めぐは思ったりする。

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