第222話  ことばとキモチ






ことばとキモチ



おばあちゃんは、受話器を手で押さえて



「ルーフィさんがね、坊やの事で

めぐの力を借りたいんですって。」と。




ルーフィさんが、あたしを呼んでる。



坊やの事でも、あたしを必要としてる。




それだけでも、めぐは

なんとなく、嬉しい。




理不尽に、どきどきしたりするのは


想いを断ち切った、としても




恋しい心は、生物的な記憶のせいなので

それは、仕方ない。





人間として、魔法使いと恋しても

不毛だ。


そう思うのは、理論的。




でも、恋心って情緒なので

それは仕方ない。




恋心と言うよりも、もっと根本的な

引き合う何かがあるようだ、と


めぐは、なんとなく思う。




おばあちゃんの世代と、ルーフィたち

イギリスの魔法使いとは、なにか

交流があったみたいなので


遠い過去に、引き合う原因が

あるのかな、なんて

めぐは回想する。



魔法の練習をしているとき、

無意味にイギリスに飛んでしまった事、とか。




それも、偶然じゃなかったのかもしれない、などと。


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る