第193話  めぐの愛、Meg の愛



めぐの愛、Meg の愛



「愛してる」と、めぐは

言いたかったけど。


でも、言えない。



そう言ってしまうと、ルーフィを

困らせるような、そんな気がして。





ルーフィを愛しいと思うのは

めぐから見て、ルーフィは

イギリス青年、ふつうの人間にしか

見えなかったから。


人間めぐは、人間の心を愛しいと

思うように、できている。


それは、ずっと昔から受け継がれて来た

人間の記憶。




すべて、めぐ自身の意思と言う訳でもない。



どちらかと言うと記憶の意思だ。




それが、魔法使いと言う

変わった存在を人間と誤認しているだけ、だ。



それは、ルーフィの責任でもない。

彼も、人を愛しいと思うけれど



それは、彼の心が人間に似ているから。




誰のせいでもない。






天使さん、クリスタは

そのせいで、元悪魔くん、にゃごの

愛を受け止めようとして、天使を辞めた。


(まだ、神は認めてはいないが)。





それと似ている。





ルーフィは、人間としての実体がないので

3次元モデルである。




でも、心はあるのだ。




その心を愛しいと思うのは、幸せだろう。




ただ、人間的な生活の楽しさとは

違った次元の楽しさである。




それがどういうものか、めぐには

まだ解らない。






でも、めぐ、それとMegは


人間から昇華して、魔法使いになる事も

できるだろう。





そう願えば、の、事だが。







例えば、人間同士でも

昔から、音楽や文学、映画とか



そういうイメージの世界に心を奪われて



愛をそちらに注ぐ人もいる。




映画監督が、作品の中のヒロインに恋して

撮影すると

よく言われるように。





そういう例はよくある。




そして、映画女優と婚姻したりする。



けれど、どこまで3次元実態を愛しているか?

は、疑問であるが



それで幸せなら、それでいいのだ。





ルーフィとの恋で、違っているのは



彼が3次元モデルだ、と言うだけだ。






構造を、めぐがどこまで意識しているか?



それは、まだわからないーーー。



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