第169話  魔法陣




魔法陣



クリスタさんは、仕事に戻り


育児室に、ルーフィとふたり、のめぐ。


坊やはいるけど。



それなので、ちょっと・・・・ヘンな感じ。




誰かいないと。



「魔法、戻らないと・・・・困りますよね。」と、めぐは言う。




でも、ちょっと心の中は複雑。


このまま、ルーフィの魔法が戻らなくて、この世界に

居続ければ。



そうすれば、ルーフィはわたしのもの!(笑)・・・・なんて、考えないでもない。



でも。




坊やが、やっぱり元の世界に戻れないと。

お母さんが心配してるだろうし・・・・。







ルーフィは、そんなめぐの気持を知ってか知らずか

「うん。僕はいいんだけどね。・・・・・でも、坊やがさ。」







思っていた通りの返事が返ってきて「・・・・そうですね!。」と

意図して元気に答えた。





坊やが、ちょっと動いた。




「おこしちゃいますね・・・・。」と、こんどは静かにめぐは話した。



坊やは、寝返りを打ってすやすや。


まるいほっぺを見ていると、なんか、しあわせ。





かわいい。






でも、お母さんの元に返してあげたいけど。




「神隠しって、昔からあるんですね。」と、めぐ。




ルーフィは頷く。「うん。それは極東の国の伝承だけどね。

西洋だと、妖精に惑わされるとか、魔王に捕らわれたとか・・・・・

魔王が憤慨するだろうけど。」と魔王を知るルーフィは微笑む。


めぐも、ちょっと微笑んで「じゃあ、魔法をあたしが覚えて・・・・・。」


しかないのか。と、めぐは心でため息。





難しそうだもん。






ルーフィは、論理的に言う。「魔方陣は、地図なんだ。座標のね。

天球図みたいなもので、時空を表して。

どこに行きたいか念じるんだね。」





めぐは、なんとなく理解する。






ルーフィは、簡単に論旨を述べる。



「この星は、時速1700kmで回っていて。時速110kmで移動しているから

それを利用すれば、同じ場所で時間を逆転させるのは簡単だね。


0次元モデルになって、重力の影響下から外れる。

そうすると、1700km/hでこの星は回るから

飛び上がるだけで位置はずれる。



超弦理論・11次元移動



「その0次元モデルは、質量がないから

元々持っていたエネルギーは無限大に秘められている。

F(=m0)a、つまり、全てが加速度に変換できるし

地面は、1700km/hで動いているから


そこで、エネルギーを少し解放してあげれば加速する。

光の速度を越える事は容易い。


そこで、空間が歪む。時間が逆転する。

そのままの世界で過去に進むなら、それでいい。



元の重力場も空間が歪んでいるので、そのつなぎ目には

高次元の時空が存在する。


それが、異次元の世界さ。僕らは、それを使って移動する。


時間も空間も、全て動かせる。

でも、失敗すると異次元に行ってしまう。

僕らが最初、ここに来たように。」


と、ルーフィは魔法の理論的な説明をした。



けれど・・・わたしにはなんのことやら(笑)。






「つまり、魔方陣をきちんと書いて、座標を決めるのね。」と、あたし。



うんうん、と、ルーフィは頷く。





「新しい魔法もあるんだ。まだ、試していないけど。」と、ルーフィ。



「それはどんなものなの?」と、あたしはちょっと興味(笑)。






ルーフィは楽しそうに話す。




「新しいのはね、0次元になった時に、ミクロ宇宙にある

11次元の時空間に移動する。そこでは、次元すらも動かせるので

自由自在にどこにでも行けるし、時間も変えられる。」




そういうところは、男の子っぽくてかわいい、と

めぐは思う(笑)。








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