第161話  ルーフィーさん!


ルーフィーさん!



「ルーフィーさん!」とめぐは

涙ぐみそう。


いつもいつも、助けてもらってる。


なんだか、迷惑ばっかりで。


あたしだって、ルーフィーさんに

なにか、してあげたいのに。



そんな気持ちは、気持ちだけで(笑)。

ぜんぜん、ちがう事してて・・・・。





そう思ってる間もなく「めぐちゃん、この坊や、お母さんが探してるんじゃ・・・・。」

と、ルーフィー。



「あ!そっか。」



それに、靴下のまま。



抱っこするには、ちょっと重い(笑)。



「僕が」と、ルーフィーが坊やをだっこ。


「よーし、肩にのっけちゃうぞー。」って


坊やも楽しそう。




「無事で良かった・・・・。」って、クリスタさん。


「とつぜん、いなくなってしまったから。」と、そこまで言って、クリスタさんも


「あ、坊やのお母さん。きっと、探してる・・・。」



そう言って、ルーフィーの肩で

にこにこしてる坊やと一緒に。



階段への扉「頭、気をつけてー。」


と、ルーフィーは背が高いから。


坊やの頭のあたりは2m以上(笑)。



あぶなく壁にぶつかるとこだった。



「でも、坊やに魔法を見られちゃって大丈夫かしら?」と

クリスタさんは、思う。



ルーフィーもめぐも、それは気にしていないみたい。


本当は、誰かに見られちゃうと

魔法ってダメ。



効き目がなくなっちゃう。




「ちいさな子なら、平気なのかしら・・・・・。」




めぐは、さっきから

少し気になってた事がある。



ひとりで、絵本コーナーにいた

この子。



お母さんは、気にしていないの?


けっこう時間経ってたから。


こんなにかわいい子が、いなくなってたら


心配・・・・なんじゃないかしら。




エレベーターで、みんないっしょにに


1階、児童図書館に降りたけど


お母さんっぽいひとは、見当たらなくて。



でも、この子も平気みたい。



ひとりで楽しそう。



ガードマンのおじさんが、巡回に来た。


紺色の制服、帽子もしっかり。

日焼けしてがっしり。頼りになりそう。



ルーフィーを見て「やあ、今度は子守・・・・?」と、にこにこ。


日焼けしてるから、白い歯が際立つ。




ルーフィーも「昨日はお騒がせしました。モペッドも、ありがとうございます。」と



おじさんは、いえいえ、と笑顔。




「この子のお母さんは、探してませんでした?」と


ルーフィー。




おじさんは、不思議そうにかぶりを振る。


 

君の子じゃなかったのと、笑いながら

ガードマンのおじさんが言うので


めぐは、なんとなく恥ずかしくなった。



いえ、ガードマンのおじさんは

めぐの事は何も言ってない(笑)。



めぐが、勝手に恥ずかしいと思ってるだけ(笑)。





・・・・・こんなふうに、坊やと一緒に

ルーフィーさんとお散歩、なんて・・・・。


そんな事があったら、いいのにな。



想像して、恥ずかしい(笑)




ルーフィーは不思議そうに




「なに赤くなってんの?」(笑)




坊やを、児童図書館の


絵本コーナーに下ろして。





「やれやれ、重かった」と(笑)。




「でも、お母さんどこ?」




と、ルーフィーが言うと

めぐは、恥ずかしくてふわふわしてた気持ちが


急に醒めたりして。





「心配ね」と。








  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る