第148話  ケルト・クロッシング


ケルト・クロッシング



#include <stdio.h>


int main()

{

double date = 10; /* 日 */

double keisu = 4.5; /* 係数 */

double locus; /* 軌跡 */

double pointa; /* 場所*/


keisu = locus * 2 + pointa;

date = keisu / pointa * locus;


printf(" 日 = %f\n", date); /* double を表示するには %f */


return 0;

}




なんて、めぐは星占いプログラムの一部を思い浮かべる。


これって、ほとんど魔法みたいに見える(笑)。


めぐから見ると、18世紀の魔法の方が難しいんだけど。




文化ってそんなものだ。


慣れていると、なんとも思わないけど


馴染みの無いものは、難しく思う。




馴染んでしまえば、なんでも出来る。



そんなものだと、めぐは

若々しくそう思った。



心は年を取らない。



自分でダメ、と思わなければどんなことだってできるんだ。




そう、めぐは思った。







「これを魔法にすると・・・・。」めぐは考えた。


コンパイラーさんが、機械の言葉に置き換えたものを

ふつう、パソコンは読んでいる。


なので、同時通訳(realtime/compile)ができるものが

魔法で呼べればいいんだ。



そうして、このプログラムを人間の言葉で置き換えれば・・・。



コンピュータとお話もできるのね。





すごい発明(笑)。





「ルーフィさんに聞いてみようっと。」と

めぐはにこにこした。














一方のルーフィは、まだ

お父さんとお話をしていた。

おばあちゃんと、お母さんと。




話をしながら、考えていた。






最初に、向こうの世界で出逢ったMegは、たぶん、この世界のめぐと

同じような家系である筈だ。



別の時空だとは言え、そこまで異なるとは思えない。



だとすると・・・・。




「お父さん、何か、古文書とか、家系図とかで

海の向こうのイギリスや、アイルランドとか・・・・関係ありませんか?」




と、ルーフィは尋ねる。

そういえば、女の子にマーガレット、と名づけるセンスも

どちらかと言うとイギリスの田舎ふう、だと思ったので


ひょっとしたら、移民なのではないかと思ったのだ。




「さあ・・・・とても昔の事だと思います。

わたしたちは、ずっとこの国で生まれ育ったので。


戦争が起こった時、敵国だった筈ですから

そのずっと前の事でしょう。」






「なるほど・・・・・。」ルーフィは納得した。

その時移民だったなら、迫害されていただろう事は

想像できる。




同じく合衆国のアメリカで、移民はかなり辛い生活を強いられたりした。


レッド・ゼペリンの「移民の歌」が、アメリカで人気を博した理由のひとつでもある。

それを唄ったのがイギリスのバンドだったのだが、おおらかなアメリカンは

そんなことを気にしなかった。



それは単なる移民だったからで、外国人とのハーフ、と言うと

また別だ。



ジョセフ・レスリー・サンプル、アメリカ南部の、クルセダーズでピアノを担当していた

彼は、ハーフだったので


そのサウンドも、どこか憂いのある趣深いものが多かったりする。




そんな事を連想するルーフィだった。



なので、めぐ一家が移民だったとしても

それはかなり旧い話。




だとすると、ルーフィ一族と

18世紀あたりにイギリスで遭遇していた可能性もある。



「そう・・・・でも、引っ越しちゃったから。」と、おばあちゃんは

穏やかに微笑みながら。



引っ越す前の家は、公園のそばだったと

聞いた。


そこから引っ越す時に、もし、どこかに古文書があっても

置き忘れてきたかもしれない・・・・と。




おばあちゃんは、なぜかタロット・カードを持っているが

エジプシャンではなく、ケルト十字法を用いる。


ケルト、つまりアイルランド・ブリテンへの大陸からの移民である。



考えすぎだろうか?と

ルーフィは思い、でも


どこか、確かめたい気持もあったり。


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