第46話 8 にゃごの、にゃんこ生



めぐは能力者だから、時空を旅すれば

「向こうの時空」に行く能力はあるけれど



その能力は、魔法だから

魔界に近い雰囲気を持っていて


めぐに宿っている天使さんの、天界の雰囲気と相反するエネルギー。

なので、天使さんが疲弊してしまうから

めぐの、能力者としての意識は

自らを封印したのだった。



もちろん、人間としてのめぐは

魔界との関わりがあった記憶を忘れるために

一度、時間を逆転させて

再度、記憶を積み重ねた。



能力があった事は、覚えていない。

けれども、それを思い出すかもしれないし


天使さんが、そういうめぐを

自由にしてあげたい、そう思っている....。








「きょうは暑かったわぁ」と、おばあちゃんは

にこにこしながら。



夕方になると、丘に建っているこの家は

草原を渡る風が、さわやか。




にゃごも、のんびり。



涼しいところを探して、ごろり、と

横になった。



リビングにある、アンティークの真空管ラジオからニュース。



熱帯植物が、昆虫の大発生のせいで

枯れたせいで、二酸化炭素が増え

太陽の熱を宇宙に逃がせず、地球は暑くなっている。




昆虫に転生したような、欲の深い人間たちは

そんなに数が多かったのだろう。



考えてみると、この国が

戦争に負けてからは、ずっと

愛や正義より、お金儲け、そんな感じ。

言い換えれば、この国の「雰囲気」だ。


天使さんの雰囲気、魔界の雰囲気。



それと似た、この国の、それまでの雰囲気。



ルーフィや神様ががんばったから、過去のものになったけれど..。



お金を持っていれば、正義や愛を支配できる、なんて

間違った雰囲気を持つ人は、悪い雰囲気を失ったけれど

その行状のせいで、虫になってしまって。


それも自然の摂理だけれども。



まだ、当分は変わりそうもない。



にゃごの優しさ



それから、美人猫さんは

、おかあさんになった。



かわいい子猫が、3匹。


お母さん似の男の子2匹と、お父さん似の女の子。



とてもかわいくて、にゃごも

子猫を眺めているだけで

幸せだった。



生まれて少しして、ヨチヨチ歩けるようになると、美人猫さんや、にゃごの後をついてきて。




美人猫さんは、お母さんになると

遊んで歩く事もなく、かわいい子猫と遊ぶ事を楽しむようになった。


人間と違い、テレビもネットもないから

遊びに行きたい遊園地、とか

見たい映画、とか

スイーツバイキング(笑)とか


べつにどうでもいい物売りの誘惑もないから、でもある(笑)




にゃごも、おさんぽを子猫たちと楽しんだり。





小さな子猫をつれて、家に帰ってくると、めぐも

おばあちゃんもとっても

喜んだ。



お母さんも、お父さんも。






子猫にとっては、にゃごがお父さんだから



やっぱり、にゃごも

子猫を見守ったり。



階段を昇れないで、上を見上げてる男の子。

お母さん似で、かわいい子猫、真っ白でふわふわ。


外をおさんぽしたい、って窓の向こうを見ている女の子は、にゃごに似ていて

トラちゃん、だけど

しなやかな白い。



子育ては大変だけれど、にゃごは、心のどこかで

前世、人間だった頃に

寂しい思いをした事を

思い出して。



自分だけは、子供達に

寂しい思いはさせない。



と、思っていたかどうか(笑)



とにかく、猫お父さんになってしまったにゃごは


面倒見のいい、お父さんだった。


まだ、お兄ちゃんくらいの年なんだけど((笑))


仕方ない、美人猫さんも

悲しませる訳にもいかない。





もちろん、天使さんも

子猫を愛しげに見守った。



そうして、幸せににゃごが暮らす事は

良い転生ができる理由に

なったりもするから、で



天使さんの、そんな気持ちは

いまは、にゃごに宿っている

元悪魔くんの心にも、伝わって。



良い雰囲気になった。

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