第45話 美人猫さんの恋



にゃごも、天使さんも

人間ではないので、男でも女でもない。


それは人間でもそうで、心に

男も女もないのだ。



美人猫さんの不幸は、その

にゃごの出自を知らないので


他の猫たちと同じ外観で、にゃごの気持ちを考えてしまう、そんなところだった。



なので、「美人なわたしに

どうしてつれないのかしら」



なんて、可愛く美人猫さんは

思ったり(笑)。


それは単なる誤解だけれども(笑)。



にゃごは、寡黙だ。


それは、相手が

気持ちを満たすのに十分だったりもする。


美人猫さんは、本当は

静かに暮らしたかった。

でも、見た目が整っているせい

寄ってくるのは、中身のない連中ばかりで

ウンザリしていた(笑)。


にゃごに、中身があるか否かは不明であるが

寡黙であるが故、美人猫さんの

夢を壊さずに済むのである。(笑)




そんな訳で、美人猫さんは

心の拠り所をにゃごに求めた。



人間よりも、ある意味

切実な願いである。



人間は暇だし、恋の季節感もないけれど


猫には、それがある。



短い季節に相手を定めないとならない。



人間のように、恋を楽しむゆとりも

そんなにはなかった。



それが故に真摯である。




にゃご自身にも、美人猫さんが

寄り添う事を避ける理由もなかったから


それは、美人猫さんにとっても幸せな事だった。


「にゃごー、ごはんよ」と

おばあちゃんは、にこにこしながら

にゃごのごはんを作ってきた。


おさかな、あじの干物を

焼いて、骨をきれいにとってあげて。



「そうそう、めぐにもよく、こうして

あげたっけ」



おばあちゃんは思い出す。


幼い頃のめぐは、あじの干物とか

あんまり好きじゃなかったみたいで


(まあ、子供はそうだけど)



おばあちゃんは、骨を取って、

きれいに身だけを取って



めぐに食べさせて。




残った骨と頭は、飼っていたにゃんこ、みーこにあげるのだけど


みーこも、頭とかだと

文句を言ったりして。


もちろん、猫の言葉で言うのだけど(笑)。




駄々をこねる猫を、可愛がっている

おばあちゃんだった。


いま、にゃごをかわいがる

おばあちゃんは、しあわせそうだ。



可愛がる対象があるから

ひとは、優しくなれて。


そういう対象がない時、心が荒んでしまったりする。



家族が必要な理由である。




「めぐも、ついこないだ

赤ちゃんだったのにねー」と


おばあちゃんがにこにこしてると



めぐは、ちょっと恥ずかしそうに


微笑んだり。



「もうすぐ、めぐもお嫁さんよね」とか


言うと、めぐは、なんとなくどっきりしてしまったり(笑)。




ずっと先だもん(笑)。。


なんて、こころのなかでつぶやいて。




そう、めぐはルーフィが好き。


ルーフィには、「向こうの時空」から一緒に旅してきた

Meg、つまりめぐの3年後、と言う

ややこしい彼女(笑)が居るのだった。




不思議トライアングル。


それは、いつか解消する。

たぶん、元の時空に彼らが帰ってしまえば

もう、会えなくなる。










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