第21話 天国と地獄



天国と地獄



ふたりを、和やかな雰囲気が包む。


そう、あの化け猫ちゃんが

尖っていたのに、和やかになっていったように。


元々もっていた、和やかな気持ち。

その時、心にオキシトシンが作用する。


ルーフィたちは、それが

長く続くように、魔法を掛けて

国会に思いやりを取り戻そうとしていたように。


建国の頃は、国会は

思いやりに満ちていた。

でも、それを欲、主に外国の欲が狙って

この国は不況になり、大学を卒業しても

就職できない、彼女のような人が増えた。



それは、外国の人の欲、つまり

ルーフィが、まだ何もしていない国の

政治的、投機的意図だった。



いつかは、根本解決が必要だ。


それらも、人の悪意のなせる技で

いずれ、魔界に落ちてこられると

魔王、閻魔大王ですら手を焼くので(笑)


人間界にいるうちに更正して(笑)

魔界に来ないでほしい、と

魔王ですら願っている、墜ちた人類たち。



反対に、天界に登る人は限られて

天界は過疎に悩み、神様は

増税しようか(笑)などと悩むかもしれないほど、だった。




それから、私たちは


めぐが居る、図書館に行った。


第一図書室のカウンターに、めぐがいないので

司書主任さんに尋ねたら


忘れ物を届けに、エレベータで上っていった、と

彼が言うので



後を追って。



それで、屋上のベンチに座っていた

めぐと、リクルート・スーツの彼女に会った。




めぐは、リクルートさん(笑)にわたしたちを

紹介し、事情を話した。




ルーフィは「大変だけど、いまにきっと

よくなると思うよ」と

魔法の話はできないので(笑)


政治の方向が代わって、思いやりを持った

建国時代のような政治が戻ってくるだろう、と言った。



リクルートさんは「そういう日、来るといいけど」と。




あまり、期待している口調じゃなかった。



それはそうかもしれない。



いままで、お金持ち、例えば企業は

株価を気にして目先の利益を上げようとする。


そうしないと、会社経営者は首になるからだ。



その為に、リクルートしても就職できなかったり

賃金や安かったりして



ものが売れないから、不景気になる。



それが、今の世界。



つまり、ごく一部のお金持ちの「欲」が

少しだけ減ればいいのだけど....。





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もうひとりの魔法使い



その欲を刺激しているのが

悪魔の仕業などと人間界では言っている(笑)が


魔界では憤慨しているだろう。


いままで、見てきた通り


悪魔くんも食当たり(笑)の

人間のおぞましい欲は

とどめを知る事もない。








「困ったもんだなぁ」と、ルーフィは苦笑い。


「貨幣なんて、ひとの暮らしを豊かにする為に

あるのに。それを得る為に心貧しい行動をする、とか」





「だからと言って、国の借金が減りもしないから」










「そうだ!ルーフィのご主人様って、アメリカンだったでしょう」と、わたしは思い出す。



出逢った頃、星条旗を見てルーフィが

そんな事を言ってたんだ。



「そうだけど、どうするの?200年眠ってるんだし」と、ルーフィ。



「200年前に時間旅行して、アメリカで魔法掛けてもらうの。」と、わたしは名案にうきうき。




未来を悲観して、眠ってしまったんだった。


でもそれは、向こうの世界のことで....



こっちの世界にルーフィがいるのなら、ルーフィのご主人様も、いるんじゃないかしら。


ひょっとしたら、眠ってないかも。



「そっか。キミはすごいよ!Meg」と言って


こちらの世界のめぐ、も

自分が言われたみたいに、にこにこ。




「あ、そっか、おなじお名前ですもの」と

めぐ、は

ちょっと恥ずかしそうに笑った。

口元にかわいらしく手を当てて。


わたしより、ずっとお淑やか(笑)なので

ルーフィも、こっちの方がいい、なんて思うかしら(笑)

おのれ、強敵め。








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