第2話 作家さん


「....うん、僕のご主人はね、魔法使いだったんだ。

もう200年も前に、眠りについた。その、眠りを覚ます能力のある人を探しに、僕はここに来た。

僕の声が聞こえる、優しい心の持ち主をね。

それで、君に出会った。」



「ルーフィ....」



「うん、でも、見られてはいけない決まりだったんだ。

この姿を。


だから、しばしの別れ。


かならず、夏への扉を開いて

僕は帰ってくるから。それまで....おやすみ。」




「待って、いやよ、ルーフィーー!」


「....あ、あれ?」




わたしは、あたりを見回した。


わたしの部屋。



何も、変わった事はない。




「!」


ルーフィ、ルーフィは?



部屋を見回しても、あのぬいぐるみは無かった。





......どうしちゃったんだろ、わたし.....。




その時、キッチンの方からカレーの匂いがしてきた。




あれ...?




テーブルの上のスマートフォンのカレンダーを見ると




....土曜日。





....わたし、タイムスリップしちゃったのかしら。






.....ルーフィ......。




すてきだったな....。



ぼんやりとした記憶をつないでみた。




でも、夢じゃない。






.....あした、日曜日。




ひょっとしたら、ルーフィに逢えるかな......。








わたしは、そんなことを思いながら。

すてきな出来事を忘れないように。


こうして、ペンを走らせている。



....童話作家になろうかな(^.^)なんて、夢みながら。



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