「ぐえっごほっごほっ」


「コーヒーだと思った?」


「なにこれ」


「残念っ烏龍茶でしたっ」


 恋人のサプライズ気性を完全に忘れてた。


「コーヒーほしい?」


「どうせあなた次は豚骨ラーメンのスープ出すんでしょ。カフェラテとか言ってさ」


「えっなぜそれを」


 まじかよ。冗談で言ったのに。次は豚骨スープだったのかよ。


「あっおなかすいた。ごはんつくって?」


「はいはい。豚骨ラーメンね」


「さっすが。分かってるう」


 さらば窓辺の良い雰囲気。俺はこれから恋人にラーメンを作りに行くよ。コーヒーは後で自分で淹れようかな。


「ラーメンっ」


 はしゃいでくっついてきた彼女の指へ、そっと気付かれないように指環をはめた。よほど豚骨ラーメンが嬉しいのか、まったく気付いてない。


「俺も大概」


 サプライズ気性かもしれない。

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