俺はストーカー

第1話

「っつーわけで!今日の配信は終了な?

後でエゴサで君達のコメント探しに行くから、

#ヨモギくんラブ

でたくさんつぶやけよ!じゃあなっ!」



そう言って日課の配信を締める


時刻は午後10時

普通の人なら寝に入る時間だろう


だが、俺にはもう1つの日課がある


「おっ……そろそろ駅に着くなら迎えに行かねぇとな」


スマホからGPSであいつの居場所を確認する

あと5分もすれば駅に着くな


スマホと財布、家の鍵と警棒を持ち

黒いパーカーを羽織ってフードを被って家を出る





走って駅に向かえば、遅い帰宅をするサラリーマン達がちらほら

その中に一人、まだ社会人になりたてのように着なれないスーツを身に纏う女の子


俺が迎えに行った子……


否、ストーカーをしている子


スマホを取り出し、電話をかける



「はぁい…もしもし……」

「今日もお疲れ」

「すーくん!」

「たく…この時間に電話かけんのは俺だけだろ」



遠目で見守りながら電話をかける

決して対面でなど話さない


そんなことしたら、俺が緊張して死ぬ




「もー!会社疲れたぁ!」

「はいはい…家帰ったら花弥の好きなロールキャベツあるから」

「すーくん作ってくれたの!?」

「朝言ったろ?今日は好きなの作ってやるって」




超人気配信者・ヨモギ


改め

俺、筑紫 よもぎが抱える


世間にバレたら炎上不可避

及び逮捕不可避な秘密



それは



本人公認型のストーカーであることだ

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