見える時

見えないモノを無理やり見ようとしたらいけない

今より、もっともっと傷つくし怖いから

黙っている方が賢い、と思っている

廊下の曲がり角

教室の端っこ

屋上に続く階段

誰もいない体育倉庫

まだまだ、たくさんあるけれど

怖いモノが、たくさんあった

フツウが分からなくなるくらい

フツウの基準がおかしくなるくらい

見えないモノが見えた

同級生の喧噪がうらやましかった

そこの真ん中には黒く長い天井まで伸びる

怖いモノがいた

だから、ひっそりと自分の生活圏

机で本を読む、寝る、座学、体育

余計なことはしない

人生の余計なことができない

いつも行ったり来たりで

苦しくて、でも大切じゃないから

安心していた

一人でも辛くない、辛くない

そう言いつつ諦めていた

生徒間で行われていた暴行事件も無視した

でも、一人が行動して解決して

教室の空気は、最初よりもっとよくなった

でも、怖いモノはいたし

自分のサークルは机の周りで完結していた

あの日までは

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る