ミルクティにシロップを

ミルクティにシロップを

混ぜに混ぜて胸焼けする


ミルクティにシロップを

表面の泡がふわふわに


ミルクティにシロップを

回すスプーンに私の指


たまにしか作らない

心も心臓も気持ち悪いほどの

ミルクティ


口にすれば舌が悲鳴をあげる

甘い甘いと悲鳴をあげて

危ない危ないと電気信号が


それでも飲むのは美味しいと思うからで

これがルーティンになっているからで


大きい仕事をこなしたあとの

素晴らしい、胸焼けを重ねるミルクティ


仕事の結果がどんなでも

ミルクティは欠かさない


胸くそ悪い結果でも

相手が喜ぶ結果でも


被害者と加害者の顔を忘れるように

私はミルクティを飲む


甘さで唇が乾く

この一杯で区切りがつくならそれでいい


顔を忘れるくらいの甘さがほしい

相手を許せるほどの甘さがほしい


事後のミルクティほど気持ち悪いものはない

ミルクティにシロップを

もう一つ、シロップを

胸焼けしながら「なんてものを飲んだんだ」

そう言って水を飲み、寝床についた


ミルクティにシロップを

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