第80話 微風街道(5)
目の前には、黒い霧のようなモノが立ち込めている。
――<
師匠の話から推測するに<ロリモン>はこれを浄化する事が出来るらしい。
僕は一緒に来て
「メルク、
と聞いてみる。
すると――う~ん?――首を
ここは街道だ。行き交う人も多いだろう。
こんなモノがあると、いつまた凶暴な
また、三人組の件もある。
人体や精神にも影響が出る
(放って置くのは、非常に危険だ……)
――
それが僕の予測だった。
恐らく
きっと僕達が
そう考える根拠は『魔物の肉』にある。
――
そのため、食用としては使えないのだろう。
しかしそれは別の可能性を意味していた。
そのため、
結果として
(でも……)
だからといって
同時に危険な存在でもあるからだ。
(仲良く暮らす――とう訳にはいかないだろうな……)
そこでメルク達<ロリモン>の出番となる。
彼女達は意思の
更に、普通の
(かつては誰もが、この認識だったのではないだろうか?)
<ロリス教>が一大勢力だった――というのも<ロリモン>を独占していたのが理由だろう。
――けれど人間の数が増え、<ロリモン>の数が
『ロリス教徒』は<ロリモン>達を奪い合い、次第に
そして<ロリス教>の代わりに別の宗教が
(容易に想像が出来る展開だ……)
<ロリス教>としては<ロリモン>達を守るため、その存在を
また<ロリス教>を
(まさに悪循環と言える……)
かつて、この世界は人間と
(<魔王>に会ってみる必要があるかも……)
いつの間にか、僕は一人で考え込んでしまっていたらしい。
メルクが心配そうに僕を見詰めていた。
「無理なら
僕はメルクに告げる。
『
メルクに変な影響が出ても困る。
(この世界は僕が思っているよりも、終わりが近いのかも知れない……)
「お兄ちゃん、大丈夫だよ!」
私、出来るかも!――とメルク。
正直、どういう影響が出るのか分からない。
(『無理』と言って欲しかったのだけれど……)
しかし、今は彼女の言葉を信じる事にする。
メルクは
僕が
やがて完全に『
(大丈夫だろうか?)
「メルク?」
僕が近づくと、彼女は――パチクリ――と閉じていた瞳を開く。
「あっ! お兄ちゃん、終わったよ」
そう言って、僕に
(良かった!)
――どうやら、大丈夫のようだ!
僕はメルクの頭を
うにゃあ♥――と彼女は嬉しそうに
「さて、皆のところに戻ろうか?」
「うん!」
僕はメルクと手を
丁度、そこへ――
「兄さん! <ヘンタイ>だ……」
とイルミナが飛んで来る。
僕としては――また、そのパターンか――と思ってしまった。
(
しかし、イルミナの慌てようから、急を要するらしい。
「今、<コウモリ>達が相手をしている……」
とイルミナに教えられた。
僕はメルクを
† † †
結論から言うと、相手は人間ではなかった――
(いや、中に人間が入っているんだろうけど……)
鎧と言ってしまえば、それまでだ。
けれど、全身を覆う意味がない。
死角も増えるだろうし、
身長は優に2
(もしかしたら、3
また、
――きっと、
ゲームやアニメで
普通の鎧とは明らかに違う。
(
日本から来た人間が関わっている事は明白だ。
「コノッ、コノッ! 参ったでちか!」
とルキフェが相手の頭部に乗って、素手でペチペチと叩いている。
金属製なので、相手は痛くも
そんな
「うぉーっ! カッケェ!」
とアリスが目を輝かせていた。彼女は少年の心を持っているらしい。
(そうだ! ガネットは
僕が周囲を見回すと、
――ポコポコポコッ!
地面が盛り上り、僕に向かって近づいてくる。
「うぇ~ん、ご
そう言って、ガネットは地面から顔を出す。
僕はメルクと
彼女の身体に付いた土を払う。
イルミナの話によると、この
(まぁ、こんなのが行き成り現れれば、誰だって
そういった意味では、ルキフェもアリスも
僕はガネットをメルクに預けると、ルキフェを回収した。
「えっと、ウチの
得体の知れない相手なので、まずは
(いや、十中八九『ロリス教徒』なんだろうけど……)
すると――ギュインッ!――と相手の両眼部分が光る。
そういう
「アスカ殿とお見受けする!」
機械を通している
やはり、中に誰か入っているのだろう。
僕の返答を待たずに、
「ワタシは『
(うん、知ってた……)
ここは
(ヒーローショーだと思って付き合う事にするか……)
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