第45話 冒険者ギルド(6)
どうやら――<ロリス教>の息子とそれを良く思わない父親――という構図のようだ。周囲の反応から察するに、あの
ルキフェはすっかり
(なるほど、<コウモリ>の翼で悪魔っ娘なのか……)
僕は別の事に関心していた。
トレビウスと名乗った青年には、今日はお帰り
「では、アスカ殿、ルキフェたん♥ またね――でござる」
デュフフ――ルキフェの名前が分かった事に満足したのだろう。
(
別の意味で僕は
「彼はアレで『
困ったモノです――と窓口のお姉さんこと『マルガレーテ』さんは溜息を
元ネタは『円卓の騎士』から来ているのだろう。
僕達は今、<冒険者ギルド>の三階にある応接室へと通されていた。
バルクスさんは非常に興奮していたため、
「バルクスさんも『
その剣の一振りは、千本の剣に匹敵する――と言われていたらしい。
今は後進の育成も
息子が『ああなってしまった』ため、<ロリス教>嫌いになってしまったようだ。
「
「事情を存じていない――と思いまして……」
なので
「最近は外で――冒険者同士が争う――という出来事も多いようですし……」
彼女は眼鏡を――クイッ――と動かし、そんな事を
これは――あの三人組との戦いがバレている――と考えた方が良さそうだ。
「そんな事があるんですね……」
困ったモノですね――僕は
一方で――カッコイイでち!――とルキフェは目を輝かせる。
どうやら『
「先日は失礼な態度を取って申し訳ございませんでした」
とマルガレーテさんは頭を下げる。セシリアさんやトレビウスのような存在が居るのであれば、こちらにも非があるだろう。
頭を上げてください――と僕は言う。
流れからいって、面倒な事を頼まれるのは明白だ。
僕はメルク達に――少しの間、大人しくしていてね――とお願いする。
ルキフェも先程の出来事を引き
今は僕の
「まずは『
これは
この情報は僕のゲーム知識にはない。マルガレーテさんは続けて、
「その定員は十三名なのですが――」
と話すのだけれど、
(
「失礼しました――現在、その十三名すべてが『ロリス教徒』なのです」
ついた
「『ロリス
僕は思わず、声に出してしまった。
「『
なるほど、根本的な謎が解決した。要するにギルドの
――どうりで<ロリス教>が嫌われている訳だ!
(
(首の皮一枚で
<冒険者ギルド>がいつ<ヘンタイ>の
「<ロリス教>は少数の
自分の就職先の
「しかし『ロリス教徒』は一騎当千の
とマルガレーテさん。あのトレビウスという青年も相当強いのだろう。
「アスカ様……少なくとも、
彼女は僕を見詰める。一方、
(二人?)
僕は首を
(『ロリス教徒』はセシリアさんとトレビウスしか、知らないのだけれど……)
「一人はトレビウスさんです――二つ名は『
僕は吹き出しそうになる。色々な意味でピッタリの名称だ。
どうやら、あのシャツを汚される事を非常に嫌っているらしい。
そして、シャツを守る
(
「もう一人はセシリアさんです――二つ名は『
僕は
(その二つ名だと、鼻血を吹いている彼女の姿しか、思い浮かばない……)
「らいじょーぶ?」
とメルクが背中を
「汚いでち!」
とは僕の膝の上で転がっていたルキフェだ。
イルミナは――仕方ないなぁ――という目で僕を見ている。
メルクにお礼を言って、ルキフェに謝る。
僕がマルガレーテさんに向き直ると、彼女は、
「こんな事を頼むのは心苦しいのですが……」
そう言って、カップを見詰める。
どうやら、僕に<ロリス教>を
正直、出来るか不安だけれど、この場は
「それと、バルクスさんの件なのですが……」
彼女が言い
「息子さんと仲直り出来るように、頑張ってみますね――」
僕が返答すると、彼女は――パッ――と花が咲いたように笑った。
どうやら、バルクスさんに気があるようだ。
僕としても、風当たりの強い<冒険者ギルド>内に理解者が出来たのは助かる。
(三人組の件も、
彼女にお礼を言われ、僕達は<冒険者ギルド>後にした。
「兄さん、これから、どうする?」
イルミナに聞かれ、少し考える。
「正直、疲れたよ……」
僕は
少し余裕がある。
「そうだ! レイアさんを紹介するよ」
今は普通の人に会いたい。それに
僕はお土産の『お菓子』を買う事にした。
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