明智勇の冒険 

鷹山トシキ

第1話 1975年8月

 8月1日 - コクヨが「Campus」を発売。30年以上続くロングセラー商品に。

 世紀の名探偵、明智小五郎が亡くなった。81歳だった。息子の勇はこの当時、40歳だった。

  

 8月2日〜3日 - 静岡県掛川市・ヤマハリゾートつま恋で『吉田拓郎・かぐや姫 コンサート インつま恋』を開催。日本初の大規模野外オールナイトライブで5万人以上(警察発表7万5千人)を動員した。

 勇はかぐや姫の中では、『僕の胸でおやすみ』って歌が好きだった。2年前に流行った歌だ。

 かぐや姫で初めてオリコンのシングル売上ベスト100にランクインした。作詞・作曲は山田つぐとだが、リード・ボーカルは南こうせつ。山田が高円寺のアパートで妻と同棲していた頃に作った曲である。

 累計で約25万枚の売上を記録した。

 後にうすき製薬の「後藤散かぜ薬」のCMソングに起用されていたことがあり、その頃はメンバーで本曲でボーカルを執った南こうせつがCM出演していた。

 チェロ、フルート、バイオリンの音色は、石川鷹彦のメロトロンによる演奏である。


 勇は築地にある『精養軒せいようけん』に出かけた。明治5年に開業し、明治9年には上野公園の開設にともない支店として不忍池のほとりに『上野精養軒』も開業した。はじめに出たのはビスク。

 ビスクとは、クリームベースの滑らかで濃厚な味わいのフランスのスープである。本来は裏漉しした甲殻類のクーリをベースとして作られる。ロブスター、カニ、エビ、ザリガニ等が用いられる。また、ローストしてピューレにした野菜を使ったクリームベースのスープもビスクと呼ばれることがある。お次はポトフ。牛肉やソーセージなどの肉と、大きく荒く切ったニンジン、タマネギ、セロリなどの野菜類を、じっくり煮込んだ料理である。スープは食塩、香辛料(黒コショウ、ハーブ、クローブ等)などで風味を調え、肉や野菜は食べやすい大きさに切ってからマスタードを添え、それぞれ別皿に盛って供する。漉した煮汁はほかの料理のブイヨンとしても用いられる。

 フライドポテトも出た。

 ジャガイモを、直線状のストレートカット(特に細いものはシューストリングカット)、波状のクリンクルカット、皮付きのナチュラルカット、リング状のスパイラルカットなどの形状に切ったものを用いるが、一度粉末にしたものを改めてこれらの形状に整形し直して製品化しているものもある。パン粉をまぶして揚げる例もあるが、多くのファストフード店では素揚げにして客に供している。また、揚げるための油に植物性の油ではなくヘットを使うことでうま味をつけたものもある。ファストフードチェーン店などではポテトカートンと呼ばれる専用の紙容器に入れられて販売される。日本では検疫の関係上、生のジャガイモは輸入制限されているため、輸入ジャガイモによるフライドポテトは現地で製造され冷凍されたものか、もしくは粉末状に加工されたものを日本で細長く成形されたものである。これらは日本国外の大規模農場で生産されており、安価ではあるが、生のジャガイモを調理したフライドポテトの方が好まれる傾向も見られる。


 味付けは、塩、ケチャップやマヨネーズベースのソースなどを使用する事もある。ファストフードチェーン店では、フライドポテトの入った紙袋に、添付されたシーズニングを入れて振って調理するといった食べ方がある。シーズニングの量を調節できたり、多様な種類の味が用意されていたりと、幅広い楽しみ方ができる。

 家庭用のフライドポテト用の油や、ポテトと油を入れて手軽に揚げることができる調理器具なども比較的普及している。ベルギーの一般家庭は電気フライヤーを高い割合で常備している。

 

 4番目がクロックムッシュ。

 パンにハムとチーズ(グリュイエールチーズやエメンタールチーズなどが望ましい)をはさみ、バターを塗ったフライパンで軽く焼いてベシャメルソースやモルネーソースを塗り、温かいうちに食べる。

 ゆで卵や野菜をはさむ場合もあり、上面に目玉焼きを盛り付けたものは、クロックマダム (croque-madame) と呼ばれる。


 メインディッシュはビーフストロガノフ。牛肉の細切りとタマネギ、マッシュルームなどのキノコをバターで炒め、若干のスープで煮込む。仕上げとしてスメタナ(サワークリーム)をたっぷりいれる(その酸味により肉のしつこさが消え、食べやすくなる。煮込むと酸味が飛ぶのであくまで最後に使う)。バターライスや白飯、パスタ、揚げたジャガイモと共に食べる場合が多い。ストロガノフ家で提供されていたオリジナルのビーフストロガノフは、煮込みの前に肉をワインを加えた湯で蒸し、マッシュルームとケッパーを加えたものだったという。

 ウクライナ風では色は白く、ビーフシチューというよりむしろクリームシチューに味も色も近い。

 日本においてはサフランライスを使ったり、トマトやドミグラスソースを使うこともある。また、日本ではサワークリームが食材として一般的ではないため、生クリームやヨーグルトを使用する製法も見られる。


 デザートはジェラートだった。

 発祥はフィレンツェ。果汁、果肉、牛乳、砂糖、時にはコーヒーや香草などを混ぜた物を凍らせて作る。イタリア人の夏には欠かせないお菓子であり、シチリアではブリオッシュに挟んで食べられることもある。一般的なアイスクリームと比べて空気含有量が35%未満と少ないために密度が濃く、味にコクがある。また、乳脂肪分は4 - 8%で、一般的なアイスクリームの乳脂肪分8%以上より比較的低カロリーである。そのため、日本の乳及び乳製品の成分規格等に関する省令ではアイスクリームではなくアイスミルク(乳脂肪分3% - 8%未満)、もしくは氷菓に分類される。


 8月4日 - 日本赤軍がマレーシア・クアラルンプールのアメリカ大使館等を占拠(クアラルンプール事件)。

 エレガントに殺しを行う上崎栄太うえざきえいた。しかし、彼には殺し屋の名門に恥じないように口煩い母親に厳しく押さえつけられていて、内心は殺し家業にうんざりしている面があった。そんな時、殺しの現場を明智勇に見られてしまったが、後継者が必要な上崎は勇を弟子にする。上崎は殺しのノウハウや哲学などみっちりと仕込むが、勇はものにはならない。そんなある日、2人はある女の殺害を依頼される。その女は詐欺師の織江おりえだったが、手違いから彼女を逆に悪の組織から守る羽目になる。

 

 8月15日 - 三木首相が現職首相としてはじめて終戦記念日に靖国神社を参拝。

 同日、バングラデシュでクーデター。ムジブル・ラフマン大統領が暗殺される。

 勇は深川にある廃墟でダイナマイトを見つけた!

 🧨

 土曜の9時から『Gメン75』を見た。丹波哲郎たんばてつろうはやっぱカッコいいと思った。

 

 8月24日 - 第57回全国高校野球選手権大会は千葉・習志野高校が決勝戦サヨナラゲームにより第49回大会以来8年ぶり2度目の優勝。

『時の過ぎゆくままに』のレコードを自宅アパートで聞いた。この曲は日本の歌手である沢田研二の14枚目のシングルである。1975年8月21日にポリドール・レコードより発売された。

 蝉がけたたましく鳴いている。

 勇は小五郎から聞いた怪人20面相を思い出した。彼は老人や子供だけでなく、カブトムシやロボットにも変装することが出きた。最近、運転手のいない車が通行人を轢き殺す事件が相次いでいた。

 勇は緑ケ丘ってところに住んでいた。町は緑ケ丘駅を中心に南北に開けている。電車は東西を横断、崖の下を走る列車が見えた。

 涼しくなってきたので街を散歩することにした。緑ケ丘学園🏫、緑ケ丘神社⛩、緑ケ丘郵便局🏣、緑ケ丘病院🏥、東亜映画の撮影所🎬、M銀行支店🏦、喫茶店『ベラミー』、丸見屋運送店。東の空に星が輝いている。✨

 巨大な怪獣がドシンドシン!と、轟音を立てながら現れた。勇はダイナマイトを投げつけ怪獣を倒した。🧨💥


 8月28日 - 興人が会社更生法の適用を申請し倒産、戦後最大の企業倒産(当時)。

 深夜11時。勇は猛スピードで首都高で愛車を走らせ、とあるスーパーマーケットに向かっていた。彼の秘密本部は、その店の地下。そこには様々な武器が眠っていた。20分ほどで本部に到着。

 モニターを勇は見た。彼の前に映しだされたのは鎖に繋がれた織江だった。


 翌朝、車で敵の城まで向かう勇。一方、勇が来たのを察知した恒川一馬つねかわかずまは門を閉め、更に城までの道のりに大量の罠や爆弾仕掛けのロボットを設置し陥れようとするも、勇はそれらを難なく突破してしまう。

 一馬の父親は警視庁捜査一課長で、小五郎とコンビを組んで事件を解決したこともある。

 ついに勇は城内へと侵入。「織江を殺されてたまるものか!」と言わんばかりに、一馬は部屋に通じる広間に赤外線や地雷、さらには時限式機関銃といったあらゆるトラップを滅茶苦茶に仕掛ける。満足そうに部屋を出る一馬。


 かたや勇はと言うと、トラップ地帯を掻い潜る事もせず、ただ戸外で口笛を鳴らしながらテープレコーダーで足音を流すのみ。この音を立ち聞きし「余裕で切り抜けてしまったのか」と勘違いした一馬は、トラップだらけの広間に勢い良く飛び込む。だが、飛び込んだ弾みで自分が仕掛けた罠に次々と引っ掛かってしまい、散々な目に。

 勇のミッションは手もなく成功。血まみれになった一馬は苦しみながら死んでいった。

 

 8月30日 - 映画『トラック野郎』シリーズの第1作『トラック野郎・御意見無用』(菅原文太・愛川欽也主演、鈴木則文監督)がこの日から公開、1979年まで全10作が製作された。

 23歳の菰田春奈こもだはるなは婚約者をテロで亡くし、テロ組織に報復する為組織に独自潜入しようとしていた。彼女の父親はM県随一の富豪、菰田源三郎こもだげんざぶろうだ。春奈の存在を知った公安組織の副長官・郷田将暉ごうたまさきは、彼を公安組織『イーグル』にリクルートする。太平洋戦争中に活躍したベテラン、小山田三郎おやまださぶろうの指導の下準軍事要員としての訓練を受け、春奈と小山田は無差別連続テロ事件の捜査に当たる事になる。2人は無差別に行われていると思われていたテロに実は何かの意図があるのではないかと疑い始め、ついに小林と呼ばれる傭兵の存在を突き止めた。小林は小山田の元部下で、核爆弾を強奪してそれで第6艦隊を皆殺しにしようとしていた。核爆弾の爆発は未然に防がれるが、黒幕の首相候補は残った。演説を終え、黒幕はボディガードと共にエレベーターに乗る。エレベーターの中には尾行してきた春奈がいた。

 春奈は黒幕、黒田悦司《くろだえつじ》を背後から銃で撃った。


 勇は物凄い呪文を覚えた。異世界にタイムスリップする呪文だ。例えば昭和元年に開発されたものに『ラーメブンラーメブン』と呪文を唱えるとその時代にタイムスリップすることが出来るのだ。

 勇はデパートでモンチッチ人形を買った。去年の1月に発売されたものだった。デパートから出て、星の降り注ぐ公園で、「ラーメブンラーメブン」と唱えた。🌀グルグルと渦に巻き込まれ、勇は異次元に飛んでいった。


 

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