――銀河通信! それは三が六つ揃う時刻なの。

大創 淳

第一回 ゾロ目企画を迎えるに辺り。


 ――やっぱり開催されるの。令和三年なだけに三月三日。しかも三時三十三分。



 三月三日といえば『ひなまつり』


 去年から、ずっと楽しみにしていたの。僕の名前は千佳ちか。一人称は『僕』だけれど、見た目も中身も列記とした女の子。つまりは『ボクッ娘』だ。



 けれど、ボクッ娘は僕だけではなかった。


 実は去年もゾロ目企画があった。僕はこの度で二回目だ。

 去年は令和二年だったから、二月二十二日の二十二時二十二分に一斉公開した。その内容こそ僕の……僕らの人生を変えるような内容。或いは本来の人生へと、まるで引力のように軌道を修正したのだとも思われる。



 親しい友人と思っていた梨花が、実は……僕の双子のお姉ちゃんなのだと発覚した。


 僕と梨花りかは、ソックリ以上によく似ている。知らない人が見たら、本当に見分けがつかないレベルだ。しかしながら生まれてすぐ、記憶もない頃に生き別れた双子の姉妹が、その十三年後に再会するなんて、本当に奇跡的なことなのだ。


 もしその言葉を言い換えるのなら、

 引力的なもの。

 神秘的なもの。


 ……まあ、難しいお話になりそうだから、

 一旦はこれにて。……ところでこの度は、令和三年なだけに三のゾロ目。しかも……しかも一万文字以内の短編だそうだ。思いとしては挑戦したいと……いや挑戦する。



 そして三時三十三分。


 そこにあると思うの。可奈かなの企みが。


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