死んでないのに異世界に転生させられた

mikazuki

プロローグ 

 皆さんは『ゆびをふる』という技をご存じだろうか?あの世界的に有名なコンテンツのポケ〇ンの技であり、多数ある技の中からどんな技でも使用することができる技である。タイプ故に覚えることがなく本来使用できない技をすら発動することができるそれは人によっては夢が、ロマンが詰まった技と言えるだろう。


 しかしそんな素晴らしい技にも…いや、素晴らしい技であるからこそ当然リスクもある。どんな技でも使用できる反面、ゆびをふるで発動される技は数多ある技の中からランダムに発動されてしまうことである。つまり自分で使用したい技を任意で発動できないところがロマンを感じる部分であると同時に致命的欠点となる部分でもある?


 けれど自分の望む技が中々出せなくて宝くじのような技だが、引き当てたときのメリットは勿論、その喜びや高揚感など普通の技にはないハラハラ感があるからこそ夢のある技と言われるのかもしれない。それでもあえて言うのならその中にその自分が無意味にダメージを受けるような技が、只々自分のみが不利になるだけの技がない辺りは多少のハズレはあっても大ハズレのないギャンブルといえるだろう。


 そもそも何故このような話をするのかというと俺の状況がまさにその『ゆびをふる』を悪化させたようなスキルのせいでピンチに陥っているからである。



『ユニークスキル:ゆびをふる発動

タイガは指を振って【かえんほうしゃ】を選択した

発動失敗:タイガの後ろからボールペンが放たれた』



 宣告通り放たれたボールペンは大河のお尻突き刺さった。


「痛った!またかよ⁉︎」


 タイガは突き刺さったボールペンの痛みに耐えながらモンスターの群れから逃げ惑うのだった。


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