白蛇

モナムール

第1話

薄暗い道に銀髪の、小さな女の子がいた。

白いワンピースを花のように纏い、軽やかに舞う。

海の、潮剤が遠くから近づいてくる。

ざわざわ、ざわざわ。

波が、足元を浸し、空が夜へと落ち続ける。


囁く。

ざわざわ、ざわざわ。

ぽつり、ぽつり、と雨のように澄んだ声で贖罪を歌う。


世界はこんなにも美しい晴れ間だったんだ。


なら、どうしてこんなに暗かったの?私ね、寂しかったよ。神様に何遍もお祈りした。泣いた夜だっていっぱいあるよ?


そう云うと、くるり、くるり泥水を踏んで踊った。


瞬間、風はあたり一面に吹き遊び、すべて一枚の絵画のように黄金の穂を淡く揺らしている。


愉しげな、あなたは罪人のように、詩人のように、奴隷のように、神様のように。


滴る、水滴を幾度も拭った頬が、

ちろちろ、炎のように舌を出す私の熱病を自覚させた。


私は這うように近づく

毒液を腺から滴らせるように、何故なら、その少女を優しく労りたかった。

私、の涙をあなたに贈るの。


あなたが、憎いから。

私も、生きてゆくのに弱くなってしまったから、

だから、そう口をひらけば、

墨が、白紙に溢れて広がるような笑顔で、優しく指を差し出して。

ああ、もう止まれるはずなんてもはやなくて。

そのまま私はかぷり、と噛み付いた。

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白蛇 モナムール @gmapyon

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