第6話
チリリリリリリーン
私は、その音で目覚めた。部屋を見渡すと、晴菜ちゃんも虹奈くんもいなかった。
部屋の小窓から外を覗くと金色の魔法の粉を噴き出しているはずの噴水からびっくりするほど黒い粉が噴き出していた…
私は、外へ行き晴菜ちゃんに話しかけた。
「ねぇ、これどうなっちゃったの?」
晴菜ちゃんは血の気の引いた青い顔をしながら、
「わ、分からない。けど、私たちはこれが無いと仕事が出来ない……」
そんな!大変だ!
これ、どうやったら直るんだろう……
「なんと……」
後ろから神様の声が響いた。
そこにいた天界の住人たちは、神様の方を向いて助けを求めた
「「これが無ければ私たちは仕事ができません!神様!直してください!」」
神様は少し考えたあと、
「これは、悪魔たちの仕業かもしれん……これを直せる人物は今、天界に居ない。」
悪魔?私は、尋ねる。
「あの、悪魔って……」
晴菜ちゃんがこっちを向いて説明してくれる、
「悪魔は、私たちの敵で悪さばかりする。人間界の人達の心を汚したり、気力を吸い取ったりする。」
悪魔……許せないな…
「私たちは悪魔といつも戦ってる。でも、この粉が無いと…戦えない。」
私が何とか出来ないかな…助けたい……
私は、みんなを助けたい!
私が心の中で叫んだ瞬間、私の中でパンッと、何かが弾けるような音がした。
そして、私の頭の中にいくつもの映像が浮かんでくる。その映像に必ず映っている女性は私にそっくりの顔立ちをしているけれど私の記憶ではない。誰なのだろう。
映像が流れてくるのと同時に私の中で見えない力が湧いてくる感覚がした。
私は、そっと悪魔によって汚されてしまった噴水に触れてみる。
すると、私の触れたところから漆黒の粉が元の綺麗な金色の魔法の粉に戻っていく。
「まさか……」
神様が驚いたような声をあげる。
数秒後には、噴水は全て元通りになった。晴菜ちゃんと虹奈くんが2人揃って
「凄い……」
と呟いた。
私がみんなと一緒に喜んでいると神様が突然、深刻な顔をして私にこう囁いてきた
「朝食後、わしの部屋に来てくれ」
何かあったのかな……
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