第4話 ひややかな氷の一瞥
「らしいね。」と、僕は思わず返し、感触に喩える自分の事を話した。
シュウは合点、と云う感じで「ああ、ありそうだよな。ほら、1年の時、教養過程で習ったろ?
原初体験の話。」
その理論は、人間が生まれてから最初に親しんだイメージに囚われる、と云うものだった。
いかにも理系らしい彼の意見に、僕もなんとなく頷けた。
こういうストレートなところが、シュウのいいところだと僕は思う。
僕は、なんとなく聞いてみたくなって「あの、ほら、エレベーターの子を見た時
どんなイメージがあった?」
シュウは、なんとなく照れ臭そうに「うーん、そーだなぁ...ふわ、と浮き上がるような
音空間を感じたんだ。音が響いている空間そのものが。」
「それで、Fm7-Em7-Dm7-Cm7 と、Icebrink luckがくっついたの?」と
僕はにこにこして。
「いや....あれはなんとなく、な」と、彼は、すこしハズカシそうに。
あの曲に詩も付けたんだ、と
こないだ書きかけだったようだった詩を見せてくれた。
その詩は.....
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