第19話 4月10日夜※結衣視点

今日は水曜日だ。私は毎週水曜日に英会話教室に通っている。夕方6時半から夜8時までで、帰ったら8時半を過ぎることが多い。

「ただいま〜」

いつも通り帰宅したら家には誰もいなかった。私は嫌な予感を抱き母親に電話をかけた。

「もしも〜しー」

相変わらず能天気な人だった。

「ちょっとお母さん!どこにいんの!」

「え、鳥取」

「は?何で?」

「鳥取砂丘の砂取ってきて商売しようと思って」

「やめて!捕まっちゃうから!」

「冗談よ」

「全然冗談に聞こえないんですけど…」

「あんた私のこと何だと…」

「で?どこにいんの?」

「稚内」

「⁉︎は⁉︎何で⁉︎」

「塩帆立ラーメン食べたかったから」

「訳わかんないし…」

「急に食べたくなることってあるじゃん?」

「はぁ分かったわ…おねーちゃんとおとーさんとテキトーにサイ○リヤでも行ってご飯食べてくるから…」

「あ、おねーちゃんとおとーさんはここにいるよーん」

「!!?」

「ごめんねー妹よ」

「すまない結衣、俺も塩帆立ラーメン食べたかったんだ…」

「私はどうすればいいのよ!」

「そんなの簡単じゃん」

ヤバイ、これはまずい流れだ。



「翔くんちで3日間過ごしてね〜」

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