第14話 4月10日昼休み.2

「翔、あ~ん」

ナンダコレ?夢?夢か?

「翔、食べないの?」

これは由々しき事態だ。恥ずかしい!恥ずかしいがへんに恥ずかしがって食べないと結衣のことを落胆させてしまう。ここは心を落ち着かせて...

「翔食べてくれないの?」

頬を赤らめてそんなことを言ってきた。やめろ!燃料投下するな!深呼吸深呼吸。ふー。

「ありがと結衣いただくよ」

そう声をかけてから結衣の差し出してきた卵焼きを口にした。真顔で。

「えっ」

結衣が驚いている。渾身の「あ~ん」だったのかもしれないが好きな相手の前で情けない姿は見せられない。真顔は最強だ!


「結衣、あ~ん」

俺は卵焼きを箸で掴むと結衣の前に差し出した。

さあ、攻守交代だ!

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