第51話 弟子、教わったことをまとめる3-2

次は、棋譜の具体的な書き方だった。

これは、ノートに書き留めている。



① 買った年月日と時間。

② 成り行き、指値、寄り指値、指値引け成り等の注文方法。

③ 買った株の株価と株数。

④ 持続予定日数。

⑤ 買った理由。


⑥ 売った年月日と時間。

⑦ 成り行き、指値、寄り指値、指値引け成り等の注文方法。

⑧ 売った株の株価と株数。

⑨ 持続日数。

⑩ 売った理由。


⑪ 日足の場合は買った日の前最低1ヶ月、売った日の後最低1ヶ月が含まれたチャート。



遥香は、さっそくノートパソコンを取り出して立ち上げた。

そして、Excelを起動して、表を作ろうと思った。


「でも、チャートはどうやって保存しよう・・・・。」



チャート以外は、Excelで作表すれば、一覧化できる。

でも、チャートは、セルの中に納まらない。

無理やり収めると、見えないくらいの小ささになる。

それなら、どうやって見易く保存できるかと、遥香は悩んだ。


「一覧じゃなければ、後で検索できないし・・・・。」



ここで、読者の方は不思議に思われたことだろう。

どうして遥香がパソコンを使えるのか、Excelを使えるのか・・・・。

それは、遥香の高校時代の友だちの影響だった。

その子は中学校からの同級生で、ゲーマーだった。

一緒にゲームで遊んでいたことで、パソコンを知り、パソコンの使い方を知ったのだ。

その中で、Excelを教わり、データ整理に使えることを教わったのだ。



結局、遥香は、検索することを優先して、チャート以外は一覧表にすることにした。

そしてチャートは別表として、リンクを張ったのだ。

こうすれば、一応、一覧からチャートも直ぐにチェックできる。

今の遥香の知識では、これで精一杯だったのだ。



最後は、投資法の探し方だった。

初心者ということで、投資法の探す範囲は限定された。



① 日足チャートを使うもの

② 投資期間は1ヶ月程度のもの

③ 損切り投資

④ 撤退条件が明確になっているもの



日足チャートを使うのは、投資期間の短い方が、回数を重ねて訓練するのには最適だということだった。

同じ理由で、投資期間も1ケ月以内が良いと言われた。

投資期間が短いものは、基本的に損切り投資になってしまうらしい。

また、自分で撤退条件を設定できないので、それが明確に書かれているものにするよう言われた。



投資法は、自分で判断出来ない部分を合理的に決定できるようにするツールだ。

だから、知識の足りない部分を補う感じで選べばよいと教わった。

更に、暇つぶし対策として『カブトレ!』も教えてもらった。

DSでやるゲームらしいのだが、ゲームで実力が付くのであれば、やり易い。


「はやくカブトレやってみたいなぁ~。」


遥香は、届くのが待ち遠しかった。



ところで遥香は、日本経済新聞をとるようになった。

結衣から、『萬野くんもとってるよ』と勧められたからだ。

実家では、読売新聞だったので、記事の量の違いに驚いた。

ページ数が明らかに違う。

内容も、明らかに濃かった。

そして、その書かれている内容に、自分はついて行けていないと自覚した。

『投資をするには、こういうこと全て理解できないとダメなんだろうな。』と遥香は読みながら思った。

『勉強以上に頑張らないと!!』と遥香は心を引き締めるのだった。

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