第18話噛み合わない会話

一日中寝込んでいた日から数日が経過したある日の午前9時頃、スマホが着信を告げた。

私はスマホを手に取り、通話ボタンを押し、通話に出た。

『やっ、やっほー芽愛......元気にしてたー?』

「えっ......どうしたん、灯莉?気味悪いけど......元気、なのか?ぼちぼちってくらいだよ」

『気味が悪い......って。元気そうで良かったよ、芽愛っ!』

「何っ!?いきなり連絡寄越して、元気なのとか元気そうとか言ってて分かんないんだけど?」

声を荒らげ、スマホの向こう側にいる灯莉に感じる違和感をぶつけた。

『えっそのぅ......覚えてないの、芽愛?』

「覚えてないって......何の話し?えっ......私って灯莉に──」

『覚えてないの、芽愛?本当の本当に覚えてないの?からかってる訳じゃ──』

「覚えてる覚えてないって以前にいつの話しかってことなんだけど?」

『芽愛って、体調が悪くて寝込んでるときって記憶がある?』

「何でそれを今訊くの?まあ、はっきりしてないことが多い......かな?それがどうしたの、灯莉ぃっ!」

『ごめんね、変なこと訊いて。また掛け直すから。じゃあね』

プツッと通話が切られ、彼女が連絡を寄越した意図がよめないまま、その日をだらだらと過ごした。


翌日になっても、彼女から連絡は来なかった。



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