夢
なナし
1
大人にナイショで外に出られた時点でわたしはもう満足だった
「……明るいね」
確かに。もっと暗くて怖いのが夜のはずだったんだけど
「うん。すごく綺麗」
「キレー!」
そう言って光の中に飛び込もうとする彼女の左手をここまで頼もしく包んでいた私の右手が、今は鎖のように縛りつけて離さなかった。
「もう帰ろう」
声がかえってくるのも待たずに歩き出す。
バレたら怒られる、夜は危ないことが起きやすいし、わたしはおねえちゃんだからこの子を無事に帰さないといけない、わたしの方が大人なんだから子供のワガママなんてきこえない。
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