第25話  大人の階段


真奈美ちゃんと僕の変な生活はしばらく続いた。


夏休みに入り真奈美ちゃんが家の来る回数が増えた。

真奈美ちゃんの事はもちろん好きだが、

心に必ずいるのは、あゆみだった。


あゆみの家も母子家庭で夏休みは一人でいる事が多くなっていた。

僕も、あゆみと遊びたいから良く、家まで行っていた。


その時は、真奈美ちゃんと三人で遊ぶことは無い、

二人で遊ぶか亜美と三人で遊ぶかだった事を覚えている。


あゆみと遊ぶときは必ず最初に怒られていた。

夏休みに入ると僕たちの学区は朝、6時から朝の体操と言う行事があった。

強制ではないが殆ど行ったことがない

夜更かしをしているためどうしても起きれなっかたのだ


起きた時は行こうと決めていたので行くと、

その時は、あゆみと亜美からメチャクチャ褒められたり驚かれたりしていた。

その時は、だいたいお昼から遊ぶ約束をして帰る。


今日も、約束をして2人と別れた。


13時ごろ僕は、家を出てあゆみの家に向かった。

いつもの様に家で遊んでいたが

エアコンが無い事もありお喋りをしているだけど汗がでるほど暑かったので

あゆみが住んでいるアパートの下は道路が広く車も殆ど通らない事もありそこで自転車で遊んだり、バドミントンしたりとなんだかんだいつも夕方まで笑いながら遊ぶ

その時間は、とても幸せでこの時間が続けば良い思っていた。


夕方になりあゆみと別れて僕は、家に向かった。


僕は、鍵を取り出して扉に刺してまわした

すると、玄関の鍵が開いていた。

間違いなく閉めたのに


僕は、靴を脱ぐことが出来ずそのまま外を歩き始めた。

歩いて1時間くらいたっただろうか外が暗くなってきた

再度、僕は、家に向かおうと思い方向転換をした。


家に近づくと灯りがついていた。

僕は、ホッとした。

最近、よく流れるニュースで、殺人や強盗などの事件を耳にする事が多く

恐怖を覚えながらいつも家に一人でいたから

鍵が開いている事は僕の中では事件だった。


僕は、玄関をあけて鍵を閉めた。

2階からテレビの音が聞こえる。

お姉ちゃんかな?と思い階段を上っていると

聞き覚えのある笑い声が響いている。

お姉ちゃんではなく

真奈美ちゃんの笑い声だ


「おかえり!」

「ただいま」

「今日、来る日だっけ?」

「急に決まったの駄目だった?」

「駄目じゃないけど、あ!」

「なに?ビックリするじゃん」

「鍵は閉めないとだめだよ、変な人が入ってきたらどうすの」僕は、口調を強く真奈美ちゃんに言った。

「ごめんなさい」といつもの真奈美ちゃんの声のトーンでは無くとてもにくい声で言っていた。

「どうしたの?元気ないじゃん」

「いやー、一人で居ると寂しいね、寂しくて電気つけっちゃた」

「電気をつけちゃ駄目なんて僕、言ってないよ」

「いつも、真っ暗で目をつぶっている賢一君を想像したら、元気が無くなってきた」

「僕は、慣れたから平気だよ、真奈美ちゃんは電気つけてよ」

「相変わらず一人で家に居ると思って私は来たから」

「そしたら、賢一君が居なくて寂しかった」

「遊ぶ、約束してたし。前もって言ってくれた良いのに」

「賢一君はあゆみちゃんの事、好きだよね?」

「うん、好きだねかなり」

「私とあゆみちゃんだったら、どっち?」

「2人とも好きだよ」

「選んでよ」

「あゆみちゃんとキスした?」

「してないよ!」

「じゃー、私のほうが好きって事だよね?」

「分からないよそんな事!」

「ご飯食べて無いでしょ買いに行こう、真奈美ちゃん」

とても、不機嫌そうにみえた、

でも、答えられないよ

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