第9話  お泊り保育

年長さんになり僕たちが通っていた保育園ではお泊り保育と言うのがあった。

周りの子達は楽しみに待っている様子だったが


真奈美ちゃんと僕はけして楽しみではなかった。

ただ、真奈美ちゃんと一緒に居れるという事は嬉しかった。

家に帰ってもきっと夜には一人になって寂しい思いをするなら

絶対に真奈美ちゃんと一緒にいた方が良かった


夕方になりグループ分けした藩でカレーの用意をする

真奈美ちゃんとは離れてしまったので

すごく寂しかったのを覚えている


カレーを食べる時には真奈美ちゃんが横に座ってくれて

その時はようやくいつもの時間が流れて幸せだった

夕食も食べ終わりお風呂の時間がきた


当たり前だが男女別々だ

いつもの物を隠されるといった

嫌がらせを今日も受けていた

いつまなら家で一人だが今日は一人ではなかったので

何故かいつもより苦痛ではなかった


いつもの事なので泣くことも騒ぐこともしない

きっといつもの所に隠されていると核心していたからだ

そこの場所まで取りに行き無事ことなき終えた。


21時前には皆、疲れきって布団で寝始めた

もちろん興奮して寝付けない子達もいたが殆どは寝ていたと思う


布団を敷き始めた時に問題が発生した。

何時も真奈美ちゃんと隣どうしで寝ているのだが

布団を敷き始める時

僕は隠されていた物を探していて

真奈美ちゃんの右となりに布団を敷けなかった

いつも右に僕が寝て

真奈美ちゃんが左に寝ていた

それが当たり前だったから少し悲しくなったが

真奈美ちゃんが布団を取り替えれば良いでしょって言ってくてれて

僕はほっとした。


僕は家にいる時は眠くなったら寝ていたので正直

何時にいつも寝ているのかわからなが

周りの子達よりは遅く寝ていたので

21時に睡魔がくる事はなかった


真奈美ちゃんも眠そうな目はしておらず

ずっと僕たちは目を見つめ手を繋ぎ

こそこそ話をしていた


真奈美ちゃんがアクビをした

いつもなら真奈美ちゃんが布団を少しあげて

僕を入れてくれるのだが

その日は違った。

真奈美ちゃんから僕の布団に入ってきた

僕はドキっとしたのはつかの間

真奈美ちゃんからチューをしてきた


僕たちはそのまま寝てしまった。


朝まだ皆が寝ている間に先生が僕たちを起こした

「一緒に寝ちゃだめだよ自分のお布団に入ろうね」って


いま、思えば当たり前だが

僕たちには当たり前の日常だった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る