第3話  病弱な僕


父と遊んでもらった記憶から一変して

病院からの記憶である


病弱だった僕は入退院の繰り返しだった。

最初は複数の子供が入院している病棟だったが入院を繰り返すたびにどんどん収容人数が少ない部屋になっていった。


まだ3歳くらいの僕でも少しだが怖いと感じていた事を覚えている。

ある日、僕は昼に寝てしまい夜、起きたら

今までとは違う景色があった。


僕の目に映ったのはガラスばりの病室だった。

頭の後ろに映っていたのは何時も優しくしてくれている看護師さんが忙しそうに働いている

明かりはそのガラスから入ってくる蛍光灯の光のみだ急に怖くなり

病室から逃げる様に走りだした

所詮は3歳の走りなんて大人の数歩だったに違いない

泣きじゃくる僕に看護師さんは優しく戻ってお姉さんと遊ぼうって言ってくれたが

怖いが勝ってしまい涙が止まらない

「電話して!」

「お家に電話して!」

ってすごい剣幕で言っていたのを鮮明に覚えている


電話番号覚えてるのかな?って聞いてくれていたが

何も耳に入ってこない


そんな僕をみて家に電話をしてくれていた

今、電話してるからちょっとまっててねと優しく包み込んでくれて

心が温かくなった。


何回も何回もダイヤルを回す音が聞こえたが繋がる事はなかった。


声が枯れるくらい泣き崩れていた僕を抱っこしてくれてベットまで運んでくれた

手を握って僕が眠るまでお話をしてくれていた


朝、起きた母は来なかった

昼ごはんを食べた母は来なかった

夕方、母は来なかった


それが何度も続いた


次の記憶は保育園の記憶だ

まだ、クズではない





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