「小説家になろう」から来た人の愚痴

@scratch

「小説家になろう」から逃げた僕

皆さん初めまして。「カクヨム」にやってきた日にこの小説を書いています。


僕はここで「小説家になろう」についてを書きたいと思います。初めに言っておきますが、僕に「なろう」を誹謗中傷する気持ちは一切ありません。むしろタダで利用させていただいていたのですから感謝しています。

「なろう」は素晴らしいサイトです。小説が非常に書きやすく、機能も充実、書き手も読み手も満足できるようなサイトでした。

そう、「だった」のです。


僕はここでなぜ逃げたのかを書きたいと思います。おそらく愚痴になるでしょうが、それでも良いという方のみお読みください。

















まず初めに、僕がなろうを利用し始めたころのことについて書きたいと思います。


・素晴らしき時代

僕が利用し始めたばかりのころは本当に素晴らしかったです。面白い作品を読み、感想を言い、作者からの返信が来る。

読者と作者で物語を良くしていくような、そんな楽しさがあったのです。「転生したらスライムだった件」や「転生したら剣でした」といった、本当にすごい作品が無料でいくらでも読めた。当時はなろうしか知らなかったものだから、すごいすごいと連呼しながら読んでいるだけでした。


・読み手から書き手へ

ある日から、自分も小説を書いてみようと思うようになり、思い切って書いてみました。

ド素人で知識も何もないものだからあっさいペラペラな読めたものではない作品が出来上がりました。今はもう削除しましたが、自分の拙作を読んでくださる人がいて、それがモチベーションになり連載していました。

そして完結させ、また新たな物語を書いていてしばらくしたあたりでした。


「下手くそすぎワロタww作家やめた方がいいよww」


まあ、どこにでもいる荒らしですね。返信しませんでしたが、心に受けたダメージは計り知れない物でした。拙い作品とは言え、自分なりに一生懸命書いた作品です。それを馬鹿にされては悲しくなるし、つらい思いをするのです。

その時はまだ耐えましたが、他の人からのアンチコメントも増え、元々心が弱かった僕はとうとう心を折られてしまいました。

もちろん良い感想を送ってくださる方もいるのですが、「アンチコメントがあったどうしよう」と、感想が書かれましたという表示が出るたびに怖くなり、開くためにクリックする手が震えてしまうのです。

そして耐えられず感想欄を閉鎖したものの、アンチコメントがトラウマとなり作品の続きを書けなくなってしまいました。

その作品は今でも未完のまま残っており、おそらく完結することはないでしょう。もう、なろうから逃げてしまったから。


・読み手に戻っても

最初のころのように読み専になりましたが、ある時気づいてしまったのです。


「ああ、『なろう』はもう終わってしまったのだろうか」


と。

ランキングを見ると、どれもこれも「ざまあ」「追放」「もう遅い」の三拍子そろった作品。

簡単にまとめると、


主人公が勇者等のパーティーみんな嫌な奴から追放される(追放)

しかし主人公は特別な能力チートを持っており、その特別な能力チートのおかげで成り立っていたパーティーは瞬く間に崩壊する。魔物に負けまくったり、以前までの実力が出せなくなったり等。(ざまあ)

当の追放された主人公はチートで気ままに暮らしており、妙に腹の立つ態度のやつが多い。追放時に(え、俺がいないと成り立たないんだけどなぁww)みたいな。

追放した側は主人公の本当の力に気づき、逆恨みするか戻ってきてくれと懇願する

しかし主人公は戻らない(もう遅い)

追放した側はさらなる不幸へ、主人公は幸福へ。


こんな感じですね。もうどっちが悪か分かりませんよ、特に追放した側が改心した場合は。逆恨みするような奴らならそれほど気持ち悪いとは思わないのですが。


ここで問題なのは、「三拍子そろった作品を書けばランキングに載れる」という意識が作者の間で浸透したこと。

その結果、どれもこれも似たような作品となり二番煎じにもならない有様。


作者の「ランキングに載れさえすれば良い」という意識がこのような結果を招いたのです。

いくら面白い作品を書いても、ざまあ系統の物だけが評価される。その結果やる気をなくし消えるかざまあ系統を書く。

このような負の連鎖が続き、なろうのランキングは終わってしまいました。


・元凶は誰か

元凶は作者と読者です。

作者読者双方の質の低下が半端なかったためにこのような結果を招いてしまったのでしょう。

作者は評価ポイントとランキングだけを。

読者は一瞬で終わるスカッとする話だけを。


そのような作品だけ書き、評価する読者が増えてしまったが為にこのようになってしまったのです。

では、これを防ぐにはどうすれば良かったのでしょうか?


・気づいた時には手遅れだった

答えは至極単純でした。「読者が面白い作品を評価する」。たったそれだけで防げたのです。

みんな作品を読んだら評価せずブラウザバックか他の作品を読むだけ。面白くても評価しない。

そんなだから作者は「自分の作品は面白く無いのだ」と誤解し筆を折った書くのをやめた


かく言う僕もその一人で、評価しなかったのですから、今となっては自分の身勝手さを反省するほかないのです。


・逃げてしまった

僕も終わりを招いた人のうちの一人でありながらその事実に目を向けられず、僕は悪くないと責任逃れをしてなろうから逃げてしまいました。


僕はなんて愚かで浅ましいのでしょうか。終わったことを今になって後悔するなんて。

いくら泣いても叫んでも願っても、もう元には戻らないのです。良い作品があったとしても、大抵はざまあ系統に埋もれてしまい日の光を見ることができないのです。


そして僕は「カクヨム」に逃げてきました。


・これから

こんな僕ですが小説が好きだと言う気持ちに嘘偽りは無いと断言できます。週に一度は大型書店へ行き、面白そうな小説があれば購入し家で読みます。

たとえそれが自分に合わなくとも最後まで読み、本棚へ並べます。捨てたりはしません。

僕はなろうでの反省を生かし、ここ「カクヨム」で本を読み、あわよくばまた筆を執りたいと思います。


もしどこかで僕を見かけたら、どうか温かい目で見てくださると嬉しいです。評価してくれとは言いません。読んでくれとは言いません。


僕は自分が書きたいから書く、というスタイルで筆を執るつもりです。


みなさんも好きな小説を思いっきり楽しめるよう、利用者としてあるべき姿を守り、模範となれるように在りたいと思っていることを願います。


最後まで読んでくださり、誠にありがとうございました。

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