第2章 アーリジャ大陸編
第1話 祝福の恩恵
僕がSランクになってから、1年と6ヶ月程たった。
僕は10歳になっていた。
実はSランクになってから、僕に与えられた領地に黒神狼の討伐報酬を使い、住みやすい街造りをしていた。
…といってもほぼダムルス任せだ。
僕が旅に出る間、ダムルスがこの領地を運営してくれる。
かなりの負担だ。
だから僕はその負担が軽減するようにある程度の下地を作っておいたのだ。
僕が窓から景色を見て、黄昏ていると――――
「コー君♪おはよ〜♪」
―――ギュッ―――
レイア姉様が僕に後ろから抱きついてきた。
約1年半経ち、レイア姉様はだいぶ女性らしい身体つきになって…………………ないっ!
時の流れは残酷だ。
今、僕の背中にはレイア姉様の胸の感触が伝わっている。
………うん。1年半前とたいして変わらない。
今でも僕の姉かと疑いたくなるほど童顔だ。
1年半という歳月が流れても、彼女は全く女性らしくなれなかったのだ。
ほんと、時の流れは残酷だ。
僕?もちろん僕はとても立派な好青年に―――
「なってないわよ♪」
…………レイア姉様がなんか言っているが聞かなかった事にしておこう。
「コー君、これから神殿に行くんでしょ?私も付いて行っていい?暫くコー君に会えなくなるから…少しでも一緒にいたい♪」
レイア姉様がキラキラした目で僕を見ている。
「では一緒に行きましょう。レイア姉様」
断ると後が面倒なので、僕は承諾した。
―――――――――――――――――――――
☆サランド領【神殿:聖なる間】
「久しぶりだな〜」
ここに入るのは加護を授かった日以来だ。
「コー君の旅の無事を祈りましょ♪」
レイア姉様がルージア神と思われる石像に向かってお祈りを始めた。
(う〜ん…僕の場合、その石像にお祈りを捧げたら、祈りじゃなくて宣戦布告だな…ははは)
まぁルージア神も僕に加護を授けてくれてるからね。
お祈りしましょうか。
僕はレイア姉様の横で片膝立ちでお祈りを始めた。
―――――――――――――――
―――――――――――
―――――――
「久し振りじゃな。我が使徒よ」
目を開けると、白い空間に地球神達5人がいた。
「お久し振りです。なかなか来れずすみません。これより、ルージア神の使徒を探しに旅に出ますのでご報告に参りました」
僕は立ち上がり、ゼウス達に旅に出る事を伝えた。
「うむ。お主の他にもワシらの使徒はおるからの。協力してでもいいし単独でも良いが……必ずや憎きルージア神の使徒を倒すのじゃ」
そういえば、5人がそれぞれ1つの魂を守ったって言ってたな。
てことは僕の他に4人いるのか?
「はい。地球を滅ぼしたルージア神。必ずや討ってみせます」
僕は覚悟をした顔でゼウス達を見つめた。
「黒神狼も倒しましたし、かなり強くなったと思いますが、油断せずにいきます」
「「「…………」」」
「お主…黒神狼を倒したのか……なるほどの…どおりで…」
ゼウス達が驚いた顔をしてこちらを見ていた。
「そうだ。僕が授かった祝福とはどういう効果なのでしょうか?」
僕はずっと不思議に思っていたことを聞いてみた。
「ふむ……そうじゃな……。今のお主にどこまで見えるかは知らぬが…」
そう言ってゼウスは僕の手を取りながら神眼を使った。
―――――――――――――――――――――
コーキ・フォン・レイジェント
10歳。地球神の使徒
――――――加護――――――
・剣神の加護
・技能の加護
――――――??――――――
・ゼウスの祝福
1.???
2.???
※?????????????
・ギファーの祝福
1.鉄壁→強靭な肉体になる。
2.???
※???????????
・ドルソーの祝福
1.魔力保有量増加。
2.???
※????????????
・ミラの祝福
1.全属性魔法使用可能
2.???
※?????????????
・ヒコルの祝福
1.武器マスター→あらゆる武器を使いこなせる
2.???
※?????????????
―――――――――――――――――――――
(なるほど…僕が異様に魔力量があったのも、ほほ全ての魔法属性が使えたのも祝福の効果か。黒神狼に突進されても平気だったり、初めて剣を使った時にも使いこなせた。祝福の恩恵かなりあったんだな〜)
「この【?】はいつか使えるようになるんでしょうか?」
「……うむ。今のお主では使う事ができないが、いつか使える日が来るじゃろう。じゃが、それをアテにしてはならんぞ」
(アテにはできないらしいが、僕はまだ強くなるって事か。各祝福の2はもう一つの効果だとして※はなんだ?それにゼウスの祝福だけは1も解放してないって事か?)
「この※はなんですか?」
僕は一番気になっていた事を聞いた。
「………それはの…お主にしか分からん」
そうなのか…。
ほとんどが??になっているが、その内見れるようになるのかな?
「そろそろ時間じゃ。頼んだぞ。コーキよ」
光がだんだんと萎んでいき、辺りが暗くなっていく。
―――――気がつくと僕は聖なる間にいた。
「コー君かなりお祈りしてたね♪」
前回と違い、思った以上に時間が経っていたみたいだ。
僕達は神殿を出てレイジェント邸に向かった。
明日から出発だ!
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