第708話 神技炸裂!100連コンボ大作戦!!③
アレンの作戦がはまり50連コンボが達成した。
ハクの特技「轟く」は攻撃力依存の対象をすくませる技だ。
ハクの圧倒的な攻撃力とルークやシアのデバフの効果が効いた形だ。
(うし、メルルにも待機させていたが、ハクのみで特技が当たったな)
タメの大きいハクの特技「轟く」に比べて、小回りの利くメルルのスキル「後退弾」を待機させていた。
ハクとメルルは、ネスティラドの攻撃をキャンセルさせる重要な役目だ。
「うらああああああ、全身全霊!!」※1回攻撃
『アレンのパーティーはコンボを合計51回成功させた』
ドゴラが神器カグツチに全魔力と全霊力を込め、ネスティラドの首元へ切りかかる。
何センチメートルも刃はめり込まなかったが、シアとルークが必死にデバフで下げたステータスと耐性でわずかにであるが、攻撃が通じるようになってきた。
「!」
ドゴラは攻撃後背後を確認して何かに気付いた後、ネスティラドの肩を蹴り上げて飛び上がるように後退した。
「やあああ! 焔烈火斬!!」※1回攻撃
「九段連撃!!」※9回攻撃
「霊呪爆炎撃!!」※1回攻撃
『ライガークロー!!』※10回攻撃
『地獄突!!』※3回攻撃
『フリーズキャノンなのらああああ!!』※1回攻撃
「虎神柔破掌!!」※1回攻撃
「酸の渦!!」※コンボ回数対象外
『アレンのパーティーはコンボを合計68回成功させた』
23回中17回の攻撃を成功させた。
メルスは連続して覚醒スキル「ライガークロー」を決めたが、これは天使B「天獣双爪」を削除して再召喚していた。
武器や防具を付け替え可能で、クールタイムを意識せずにメルスは覚醒スキルを連発することができる。
次の一手を打つためにメルスは攻撃して速やかに今ある天使B「天獣双爪」を削除して再召喚を開始している。
パアッ
ドゴラが、キールが神技「神薬草界」によって咲き乱れた花の1つを踏みつけると、仲間たちの体力、霊力が全回復する。
攻撃後、退避する後方に金の花が咲いていることに気付いて、そちらに飛んだようだ。
結果、仲間たちは消耗した霊力を全回復させる。
霊力にまだ余裕のある仲間であるが、常に余裕のある状態を維持したい。
『ナイス判断だ。ドゴラ!』
「俺の酸の渦も一発で当たったぜ!」
『余の神技もだ』
(よしよし、仲間たちの攻撃がミスしなくなってきたぞ。デバフのお陰か。ん?)
ルークとシアが自らのデバフが通じたことを大声で叫び、仲間たちに共有する。
バフ、デバフ、攻撃キャンセル、回復、コンボの連携と仲間たちが一丸となって、100連コンボへとつなげていく。
前回の敗戦で絶望を味わった仲間たちの表情に希望の明るさが戻ってくる。
だが、最後の瞬間まで油断をしないアレンが、ネスティラドが攻撃を受けながらも一点を見つめていることに気付いた。
『貴様か。この戦況を作ったのは!!』
大声で唸るように叫ぶとまとわりつく前衛たちを無視して、前進を開始した。
『いかん! ペロムスが狙われているぞ!!』
視線と最初の一歩で誰が狙われているのか、鳥Eの召喚獣の視界を通じてアレンが瞬時に判断し、鳥Fの召喚獣の特技を通じて仲間たちに状況を共有する。
「くっ!!」
前衛たちの中で真っ先に攻撃したドゴラが一番行動しやすいのだが、不測の事態に一瞬だけ体が硬直する。
既に68回のコンボを達成させている状態で、体全身を使って動きを止めようとしたら、タックルを受けたという、攻撃を受けた判定となり、コンボは全て解消する。
『メルル!!』
他の仲間たちも一瞬硬直してしまったが、この事態でもアレンの頭は瞬時に最適解を導く。
「分かってる。後退弾!!」
タムタムの担ぐ砲門から発射された砲弾は吸い込まれるようにネスティラドが向かっていく。
『ふっ。同じ攻撃を!!』
「ああ!? 躱された!!」
正面、距離が十分ある場所から、そして、読んでいた攻撃であったようで、ネスティラドは体を捻り見切ったかのようにメルルのスキル「後退弾」を躱した。
『フォルマール! 止められなかったぞ!! フォローだ!!』
「分かってる。足だな!! 疾風迅雷!!」
『ぐ!?』
『アレンのパーティーはコンボを合計69回成功させた』
ネスティラドの右足大腿部をフォルマールの神技「疾風迅雷」が貫通する。
一瞬顔を歪めたもののそのまま地面を蹴り上げ前進する。
だが、風穴が空いて太ももから大量の血を吹き出しながらも、ネスティラドは前進を止めなかった。
「は!? はわわ!?」
ここにきて巨木に隠れおそるおそる戦況を確認していたペロムスがようやく自らがネスティラドに狙われていることに気付く。
『ペロムス。銭投げだ! この距離なら絶対に当たるだろ!! そっちに向かって行ってるんだからな!! カバヤキは泥沼! ドグウは念道力を!!』
ペロムスに手に握る金貨を投げるように指示しながらも、アレンは創生して陣形に配置していた魚Fの召喚獣と土Eの召喚獣に特技を発動するようにいる。
見た目が全長30センチメートルのナマズの魚Fの召喚獣が特技「泥沼」によって、ネスティラドの進行方向を一気に沼地に変えていく。
さらに、土Eの召喚獣の目がカッと光ったかと思ったら波紋状の音波を発射して、向かってくるネスティラドに衝撃波を与えた。
(よし、これだけ速度を遅くなったらペロムスでも捉えられるはずだ)
フォルマール、魚Fと石Eの召喚獣によって、コンボの回数は増えないものの、ネスティラドは止まることはなかったが十分に速度は減速できた。
「ペロムスやれ! 最初の時のようにこいつを吹き飛ばして見せろ!!」
フォルマールが新たな矢を神技ニニギにかけながら横にいるペロムスに指示を出す。
沼地となった足元に波紋を広げながらネスティラドが巨木に隠れるペロムスを頭上から睨みつけることができる距離までやってきている。
ネスティラドは既に10メートルにもなる巨大な右腕を引いて、ペロムスに向かって攻撃の体勢に入っている。
後ろから仲間たちがネスティラドを追うが、初速がアレンたちよりも圧倒的に早かったため、減速に成功したもののまだ5メートル近く距離がある。
「やれ!!」
進行を止められなかったドゴラも大きな声で吠える。
だが、ここに来てダンジョンを攻略し、魔王軍と戦ってきたアレンたちとペロムスの間で精神力に差が生まれる。
「ごめんなさい。金貨をいっぱい投げて!!」
ペロムスは泥だらけとなった足元に顔を鎮める勢いで土下座した。
憎悪に染まるネスティラドによる今にも振り下ろさんとする右腕を見て、恐怖のあまりペロムスは仲間たちにとっても信じられない行動をとった。
だが、目の前で土下座するなど、戦いを学習するネスティラドも予想外のことだった。
巨木の裏で土下座するペロムスが視界から消えてしまう。
突き立てんとばかりに繰り出した右腕の手刀による突きは掠ることもなく、ペロムスの背後の泥にめり込んでいく。
「何をしているペロムス! 戦わぬか!! 弾幕撃!!」
フォルマールは絶句し、ペロムスを叱責しながらも、スキル「弾幕撃」を発動させた。
スキルレベル8に達し32本となった矢がネスティラドの懐に四散するようにめり込んでいく。
『アレンのパーティーはコンボを合計88回成功させた』
ネスティラドは攻撃を受けながらも、今回の作戦の中心となったペロムスへの攻撃への執念は消えない。
『何をこそこそしている。どれ! 姿を現せ!!』
フォルマールから至近距離から大量に矢を受けながらも、ネスティラドは巨木を捻りつぶし、影に隠れるペロムスを表に出そうとする。
ズルッ
「え?」
ペロムスの目の前の丸太は、魚Fの召喚獣の特技「泥沼」によってぬかるんだ泥の上にあった。
何が起きたのかと顔を上げてみると、今度はネスティラドが両足を掲げ、おかしな姿勢で中空へ飛んでいた。
(これってもしかしてペロムスのカンスト幸運のせいか!? 現実が100万を超える幸運の差によって修正されていくぞ!?)
『ふぁ!?』
ネスティラドは目が飛び出るほどの衝撃を受け、呆けるような声を上げ、絶句しておかしな声がでる。
泥沼の上に浮く巨木は踏まれ、沈むこともへし折れることもなく、力を躱すようにグルリと回転した。
右足大腿部に矢を貫通された足に十分に力が入っていなかったのか、巨木が回転する勢いでバランスを崩し、ネスティラドは両足を天に掲げ、ズッコケてしまった。
あらゆることを想定して戦ってきたアレンであるが、限界を超えた極地の戦いとも言える場に似つかわしくないギャグかと思う状況に、思わず絶句する。
幸運が0のネスティラドに対して、ペロムスは武器も含めて幸運は約104万だ。
圧倒的な幸運の差によって、仲間たちもネスティラドも感知することも理解することもできない、森羅万象を覆るほどの超常現象の力が働き、全ての結果がペロムスの優位に働いているようだ。
「転んだよ!! 皆、まだコンボは続いてる。急いで攻撃だ! 神魔滅破!!」※1回攻撃
『アレンのパーティーはコンボを合計89回成功させた』
ようやく仲間たちが、体を起こしたものの未だに両腕が泥の中に沈むような姿勢のネスティラドに追いついた。
フォルマールのスキルを受けて5秒以内に、クレナが即座に攻撃を加え、コンボのカウントを継続させる。
「分かってらああああ! 真爆炎破!!」※1回攻撃
「覇王烈斬!!」※1回攻撃
「ソウルセイバー!!」※1回攻撃
『ライガークロー!!』※10回攻撃
『阿修羅突!!』※1回攻撃
『シューティングスターなのらああああ!!』※1回攻撃
『アレンのパーティーはコンボを合計100回成功させた。シアの神技「獣神無限爆散拳」の発動条件を満たしました』
魔導書に100連コンボ達成条件を満たしたことを告げるログが流れた。
明らかにもう少し攻撃は当たっているのだが、100回以上は無用のためかカウントしてくれないようだ。
シアの右手に霊力が籠り輝きだした。
10万を超える圧倒的なステータスによって繰り広げられている戦いだ。
ネスティラドはまだ四つん這いで両手両足をぬかるんだ地面に漬かっている。
「よし、余が必ず決める!! む? 何だこの戦い方は……」
この姿勢なら攻撃受ける前にシアは神技「獣神無限爆散拳」をネスティラドにぶつけることができると判断できる。
だが、未だに泥の中から手を出さないネスティラドの戦い方にどこか既視感があるようだ。
(む? これは!! 体力を削り過ぎたか!!)
だが、勝利を目前にしてネスティラドの表情に余裕のようなものがあることに気付いた。
アレンたちから一斉に攻撃を受けていた状態を耐えながら次の攻撃の機会を待っていたようだ。
『馬鹿め! 連携攻撃ができるのは貴様らだけだと思ったか!!』
ニヤリと笑ったネスティラドは十分霊力を込めた左腕を天叩く掲げた。
霊獣ネスティラドとの戦いは最終章へと向かったのであった。
あとがき
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